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訪日客をとりこにする大手ホテルの意外な戦略 業界の常識を覆すターゲットの絞り込みが奏功

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ターゲットを絞り込み、求められるサービスを考え抜く。高稼働には理由がある。

パレスホテル東京のスイート室内の様子
90平方メートルと、ゆとりのあるパレスホテル東京の新スイートは2022年に完成

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新型コロナウィルス感染症の沈静化に伴って、日本を訪れるインバウンドが急増している。そうした訪日観光客は地方に、そして夜の街に足を伸ばすなど、コロナ前と大きく姿をかえている。『週刊東洋経済』の8月21日(月)発売号(8月26日号)では、「沸騰するインバウンド 復活するナイトタイム」を特集。実態とともに、インバウンドを取り込むノウハウなどをお伝えする。
週刊東洋経済 2023年8/26特大号(沸騰するインバウンド 復活するナイトタイム)[雑誌]
『週刊東洋経済 2023年8/26特大号(沸騰するインバウンド 復活するナイトタイム)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

「やはりパレスホテル東京に泊まる」。いったんチェックアウトした欧米からの男性客が再びパレスホテル東京に戻ってきた。渡部勝・総支配人がそんなエピソードを明かしてくれた。あるサービスに魅了されたためだという。

その客を虜(とりこ)にしたのは、2018年から始めたバトラー(執事)サービスだ。一部の富裕層向けで、客の好みや生活上の癖まで把握し、ホテル滞在が快適になるように徹底的に尽くす。例えば、部屋に置かれている化粧品の位置がどう変わったかまで記録を残し、次にその客が戻った際にはストレスなく使えるように配置を再現する。「パレスホテル東京から離れられなくなるサービスを提供する」と渡部総支配人は自信を示す。

平均客室単価が10万円を突破

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