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〈詳報記事〉「日本は今後10年でホテル100軒に」。ヒルトン幹部が語る日本市場攻略の勝算

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ヒルトン アジア太平洋地域社長 アラン・ワッツ氏
アラン・ワッツ(Alan Watts)/ヒルトン アジア太平洋地域社長。英IHGでアジア・中東・アフリカ地域の最高執行責任者を務め、2018年にヒルトンへ移籍。アジア太平洋地域の12ブランド、1800軒以上のホテルを統括する(撮影:今井康一)

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インバウンド(訪日外国人観光客)の急増を受け、外資系ホテルの進出ラッシュが始まった。規模で勝る外国勢に日本勢が対抗するすべはあるだろうか。本特集では隆盛を極めるラグジュアリーホテルの最前線に迫った。

ヒルトンは4月3日に大阪で最高級ブランド「ウォルドーフ・アストリア」を開業した。同ブランドの日本進出は初で、今後は東京での開業も計画している。

ラグジュアリーホテル市場が拡大する中、ヒルトンは日本やアジアでどのように成長を狙っているのか。アジア市場への見方や経営戦略をアジア太平洋地域社長のアラン・ワッツ氏に聞いた。

ホテルビジネスは活況

──アジアや日本のホテル市場をどうみていますか。

アジアのホテル市場は特別で、成長が続いている。航空機などのインフラが整い、各国の経済成長も続いて、海外旅行者が増えたからだ。コロナ禍以前の10年間は新規開業や開発でさまざまな記録が更新され続け、ゴールデンエイジ(黄金期)と言われた。中国からは年間1億2500万人の海外旅行者が出て、インドでもインバウンド市場が本格化するなどホテル業界に追い風が吹いたのも事実だ。

コロナ禍では確かに、ホテルは投資家や不動産オーナーにとって最悪のアセットだっただろう。多くのホテルは資金調達にも苦しみ、ヒルトンも6割のホテルを休業せざるをえず、ひどい思いをした。

ただ、アジア地域での開発計画は続いた。人口増と経済成長が続き、消費も堅調だろうとアジア地域のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を確信していたからだ。

そしてコロナ禍後は想定以上にホテル市場が回復した。多くの人が消費行動の制限を強いられたことによる強制貯蓄もあり、リベンジ消費の勢いも強かった。需給に基づいたリプライシング(価格改定)ができて、ホテルビジネスはコロナ後によりよりパフォーマンスを出して活況を呈している。

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