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星野リゾート・星野佳路代表インタビュー。北米はなぜホテルではなく旅館? 新ブランドの狙いとは

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星野リゾート代表 星野佳路氏
星野佳路(ほしの・よしはる)/星野リゾート代表。1960年生まれ。慶応大学経済学部卒業後、米コーネル大学大学院修了。91年星野温泉(現・星野リゾート)社長に就任。趣味のスキーは年間滑走80日が目標(撮影:尾形文繁)

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インバウンド(訪日外国人観光客)の急増を受け、外資系ホテルの進出ラッシュが始まった。規模で勝る外国勢に日本勢が対抗するすべはあるだろうか。本特集では隆盛を極めるラグジュアリーホテルの最前線に迫った。

星野リゾートは地方から徐々に出店を拡大し、北米進出にこぎ着けた。国内では新ブランドの立ち上げや新しい予約システムの開発を進める。勝算はどこにあるのか。星野佳路代表に聞いた。

30年後には全米に温泉旅館ができているかもしれない

──2028年に米ニューヨーク州で温泉旅館を開業する予定です。施設の概要は決まりましたか。

部屋数は確定していないが、50室は造れないと思う。30〜40室の範囲で落ち着くだろう。国内で展開する温泉旅館は「界」ブランドだが、当社の北米プロモーションを担当する会社は知名度のある「星のや」がよいと言っている。界か星のやかそれ以外か、ゼロベースで考えている。

ニューヨーク周辺では車で3〜6時間で行ける範囲に4000万人が住む。いいリゾートが誕生しており、1室1泊当たり1000ドル(日本円で約14万円)以上だ。われわれの施設は最低限競合と同じ価格帯はいけると思う。

現地住民における温泉旅館の知名度はゼロに近いだろう。私が米国の大学院に留学した1980年代のすしと同じだ。当時は誰もすしに興味を持っておらず、日本に行ったときに食べてみる感覚だった。それが今や私の同級生は1カ月に何度もすしを食べに行く。30年後には米国全土に温泉旅館ができているかもしれない、と私は思っている。

──なぜホテルではなく、温泉旅館なのですか。

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