
国内ホテル大手「アパホテル」を展開するアパグループは、建設費が高騰する中でも新規出店を進め、最高益更新が続く。「国内で圧倒的なNo.1ホテルチェーン」を目標に掲げ、2027年3月末までにアパホテルネットワークで国内外15万室(4月30日時点で計画中を含め13万2279室)の展開を目指す。元谷一志社長兼CEOに戦略を聞いた(この記事の拡大版です)。
競争入札が機能しなくなってきている
──建設費高騰の影響はいかがですか?
コロナ禍前までの競争入札が機能しなくなってきている。指名発注に近い状態で、1つのプロジェクトが終わったら次のプロジェクトをお願いする形だ。アパホテル〈大森駅前東〉を施工した京成建設には池袋の案件にそのまま横滑りしてもらった。絶え間なくプロジェクトがあることでゼネコン側も人員充当ができ、当社も遅滞なく進められている。
当社は所有、運営、ブランドをすべて持つ3階建ての収益構造だ。2024年11月期決算は経常利益795.8億円で経常利益率は35.2%。ホテル業界では所有、運営、ブランドをバラバラに持つところが多く、収益力は当社よりも低いところが多い。昨今の建設費高騰にあらがえず、プロジェクト自体がかなり遅くなっているように見える。
──出店戦略を教えてください。
東京都心、大阪・難波エリア、京都、福岡などRevPAR(1室当たり売上高、レヴパー)が比較的高いエリアは十分採算が合っている。基本的には3大都市圏に加え、「札仙広福」(札幌、仙台、広島、福岡)の主要駅徒歩4分圏内に出していく。あとは政令指定都市でこれから伸びると考える熊本や岡山などだ。
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