「3大都市圏と“札仙広福”で出店を続ける」。アパグループ社長兼CEO 元谷一志氏インタビュー

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アパグループ社長兼CEO 元谷一志氏
元谷一志(もとや・いっし)/アパグループ社長兼CEO。1971年生まれ。95年学習院大学経済学部卒業後、住友銀行に約5年勤務。99年アパホテルに常務取締役として入社。2012年にアパグループ代表取締役社長就任、22年4月から現職(撮影:梅谷秀司)
インバウンド(訪日外国人観光客)の急増を受け、外資系ホテルの進出ラッシュが始まった。規模で勝る外国勢に日本勢が対抗するすべはあるだろうか。『週刊東洋経済』4月26日・5月3日合併号の特集は「ホテル高級化大戦」。隆盛を極めるラグジュアリーホテルの最前線に迫った。

国内ホテル大手「アパホテル」を展開するアパグループは、建設費が高騰する中でも新規出店を進め、最高益更新が続く。元谷一志社長兼CEOに戦略を聞いた。

競争入札が機能しなくなってきている

──建設費高騰の影響は?

コロナ禍前までの競争入札が機能しなくなってきている。指名発注に近い状態で、1つのプロジェクトが終わったら次のプロジェクトをお願いする形だ。アパホテル〈大森駅前東〉を施工した京成建設には池袋の案件にそのまま横滑りしてもらった。絶え間なくプロジェクトがあることでゼネコン側も人員充当ができ、当社も遅滞なく進められている。

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当社は所有、運営、ブランドをすべて持つ3階建ての収益構造だ。2024年11月期決算は経常利益795.8億円で経常利益率は35.2%。ホテル業界では所有、運営、ブランドをバラバラに持つところが多く、収益力は当社よりも低いところが多い。昨今の建設費高騰にあらがえず、プロジェクト自体がかなり遅くなっているように見える。

──出店戦略はどうですか。

東京都心、大阪・難波エリア、京都、福岡などRevPAR(1室当たり売上高、レヴパー)が比較的高いエリアは十分採算が合っている。基本的には3大都市圏に加え、「札仙広福」(札幌、仙台、広島、福岡)の主要駅徒歩4分圏内に出していく。あとは政令指定都市でこれから伸びると考える熊本や岡山などだ。

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