この問いに答えるためには、イシン・ホテルズ・グループの特異なビジネスモデルと、彼らが追求する「最小限の統一性」と「最大限の柔軟性」という、相反する価値の両立について理解する必要がある。

常識にとらわれない「最低限×柔軟性」の新たなホテル運営モデル
「the b」の最大の特徴は、ホテルによって、デザインも客室もアメニティも統一感がないことだ。これは欠点のようにも思えるが、実はイシン・ホテルズ・グループの明確な戦略だ。

同社の事業企画マネージングディレクター若月健志氏はいう。
「ホテルのスタンダードを厳しく縛りすぎないことが重要です。宿泊客にとって本当に必要なものは何か、どうすれば満足してもらえるか。それだけを考え、満足度を満たす『ギリギリ』を守る戦略をとっています」
「ギリギリ」とは何か。それは「the b」の名称の由来となっている5つの「b」に象徴される。
「ベストロケーション(駅や観光地からのアクセスがいい)」「ブレックファスト(朝食がきちんと食べられる)」「ベッド(寝心地が良いベッドがある)」「バスルーム(心地いいシャワー)」「バランス(快適さと機能性)」だ。
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