「あのホテル閉店したのか…え!? 翌日に違うホテルがオープン!?」 業界騒然「0日リブランド」の「the b」、脅威の柔軟性の"深い狙い"

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この哲学に基づき、「the b」ではサービスにおいても「顧客のプライバシーへの配慮、安心、安全、清潔、挨拶、笑顔、身だしなみ」という基本を守りながらも、柔軟な対応を重視している。

サービスマニュアルも詳細なものは作らない。目配り気配りを意識しつつ、「従たる」姿勢を守っているそうだ。

the b 水道橋のスタンダードシングルルーム(写真提供:イシン・ホテルズ・グループ)

全ホテル共通は「トッテッテ」だけ

ホテルごとにユニークな対応を行う「the b」だが、全ホテルで統一しているものがある。「tottette(トッテッテ)」だ。

トッテッテとは、クロワッサンやマフィン、エッグタルト、季節のスイーツなど、日替わりで楽しめる軽食が、エスプレッソや紅茶とともに無料提供されるサービスのこと。片手でつまめる手軽なものを日替わりで用意している。

トッテッテで提供されている軽食の1つ、ドーナツ(写真提供:イシン・ホテルズ・グループ)

トッテッテはコロナ禍、2022年に生まれた。当時、若月氏はマーケティングを担当しており、そのなかに「朝食会場自体が取れないような物件」があったことがサービスのはじまりだったという。

「朝食が提供できないことを受け入れず、どんな場所であっても簡単に、“軽食以上、朝食未満”の食事を提供できないかと考えました。あまり軽すぎず、忙しい朝に簡単につまんで小腹を満たせたら、と考えたのです」。

紅茶やエスプレッソマシンはロビーに設置。イタリアの老舗エスプレッソブランド「illy」や地元のコーヒーなど、ホテルごとに、こだわりのものを提供している。

the b 銀座のロビーに設置されたエスプレッソマシン(写真提供:イシン・ホテルズ・グループ)
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