参院選で"再覚醒"したオールドメディアの選挙報道、「報道特集」の一件が示したリスクと可能性

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参政党がBPOへの申し立てを表明したTBSの「報道特集」。その報道姿勢は子どもっぽい正義感を感じさせるものだったが、同時に選挙報道におけるテレビの可能性も感じさせた(画像:TBSのホームページより)
7月20日に投開票が行われた参議院選挙の結果については、おおむね「与党である自民党・公明党の敗北」と「国民民主党・参政党の躍進」と結論づけられることが多いように思う。なかでも、2024年の兵庫県知事選以降、知名度が高まった「SNS選挙」で党勢の拡大を加速させたのが、参政党だったのではないか。
参政党はSNS選挙をいかにして勝ちきってみせたのか。動画関連のIT企業・エビリーのYouTubeデータ分析ツール「kamui tracker」を用いて、前後編に分けて検証してみたい。
前編:動画視聴回数では実は参政党に肉薄、それでも自民党の「YouTube戦略」が失敗に終わった決定的要因
(外部配信先ではハイパーリンクや画像がうまく表示されない場合があります。その際は東洋経済オンラインでご覧ください)

「たたかれたことで党員が燃えた」

参政党が躍進した裏側には、前編で触れたようにYouTubeで人々と交流を深め、SNS選挙を制したことがある。だが、すでに多くの専門家が指摘しているように、テレビをうまく活用できたことも大きい。

6月に梅村みずほ参院議員が日本維新の会から鞍替えし、参政党は「所属議員数5人以上」という国政政党の要件を満たした。これにより、参院選に関連して開かれた党首討論会に“8番目の政党”として滑り込んだ。参政党が自民党や立憲民主党などの大政党と並んでテレビなどに映ったことで、「真っ当な政党」「メジャーな存在」とのイメージづけが進んだ。

選挙戦中盤には「外国人問題が争点として浮上」というニュースとともに、参政党がやたらとテレビのニュース番組などで取り上げられた。X(旧ツイッター)での選挙関連の投稿の中で「外国人問題」にまつわるものが急増したというのだが、この取り上げ方には問題が多かったと思う。今のXの状況を理解していなさすぎだ。

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