「お子様のみならず、さらに多くの方に楽しんでいただきたい、もっと広げたいという思いがありました。そして、広げるためには、『アイスクリームケーキを改良する』手があるのでは……と考えたのです」と橋本さん。
そこで、一般的にスイーツをよく購入するといわれる20~50代の女性で、「サーティワンを年1回以上購入して、なおかつ1年以内に生の洋菓子、ケーキを購入する人」を調査したところ、約1014万人いることがわかったそうだ。
同時に、彼女たちがケーキを購入する頻度は平均「年8回」だということも見えてきた。購入動機はおもに、自分へのご褒美や手土産だ。
「自分へのご褒美」に選ばれにくかったサーティワン

しかし、サーティワンのアイスケーキは、そういった動機で買われることは少ない。キャラクターものやファンシーなカラーのケーキが多く、「子どもの誕生日ケーキ」や「クリスマスケーキ」としてイメージが定着しているからだ。
ということは、年間8回のケーキ購入機会のうち、1回でもサーティワンを選んでもらえれば、大きなビジネスチャンスになるのでは……。「1000万人以上の女性が年8回ケーキを買うマーケットの、たった1回でも獲得できれば」と橋本さんはいう。この『8分の1』を狙う戦略が、新商品開発の出発点となったのだ。

開発の背景には、アイス市場の変化もあった。アイスは幼児から高齢者まで、幅広く食べられる商品であることは時代を経ても変わらない。けれどコロナ禍からの“ナカショク”ブームを受けて、「アイスを自宅で味わう」需要は年々拡大している。
サーティワンでも、テイクアウト商品の売り上げ構成比が伸びており、コロナ以前と比べると約2倍に。コロナ禍が明けてイートイン客が戻ってもテイクアウト需要は減らず、売り上げがベースアップした形になったそうだ。
このテイクアウト需要の高まりが、「自分へのご褒美、手土産に選ばれるアイスを」という狙いと合致したのだ。

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