資さん「1日売上200万円」関東でも"大反響"の背景 「丸亀vsはなまる」2強のうどん市場に殴り込み!

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また、「資さん」の強さは、「居抜き(他業態が撤退した物件出店)」からもうかがえる。

こういった物件は「視認性が低い」「クルマで入りづらい」など、撤退の原因となる問題を抱えがちな中で、「資さん」の居抜き物件は、半道橋店(福岡市)が「元・回転寿司チェーン」、陣山店(北九州市)は「元・ドラッグストア」、今福鶴見店(大阪市)は「元・定食店」など……よく見ると、前の業態の名残を残していたりする。

関東1号店・八千代店の立地も、昨年の夏まで「かっぱ寿司」があった場所だ。こういった「居抜き物件」は低コストで入居できる場合も多く、「資さん」は「物件を選ばず繁盛店に変える」実力を持っているのだ。

資さん、意外と空いてる「和食ファミレス」ポジションに定着か?

資さんうどん 鍋焼きうどん
「資さん」の冬の風物詩・鍋焼きうどん(写真:筆者撮影)

まとめると、「資さん」の飲食店としてのフォーマットは「キラーメニューが数点ある」「どの立地条件にも出店できる」「外食店としての競争力がある」といった強みを持つ。

うどん店の看板を掲げながら、うどん以外でも十分に通用する「資さん」のあり方は、丸亀製麺・はなまるうどんなどの「うどん店」というより、「うどんがおいしい低単価の和食ファミレス」として見たほうが良いだろう。

同様に和食を楽しめる「和食さと」「夢庵」などは客単価が1000円を超える上に、少しだけ敷居も高い。1000円以下の価格帯で敷居が低くて、あっさりして飽きのこない和食を食べることができる「資さん」の出店需要は、まだまだ全国に眠っていそうだ。

「資さん」を傘下に収めている「すかいらーくHD」によると、2024年12月期(通期)の「株式会社資さん」(運営会社)の売り上げは約160億円。前年度比2割増。2025年には現在の74店からさらに計21店を出店予定だという。この好調は、まだまだ続きそうだ。

それにしても、「すかいらーくHD」が「資さん」買収に投じた「240億円」という金額は、なかなか思い切った投資に見える。後半記事では、ローカルチェーンとしては巨額の買収となった背景や、今後の展開について「資さん」「すかいらーくHD」双方の関係者からお話を伺っていこう。

【もっと読む】資さんうどん「240億円の巨額M&A」成立の舞台裏 最大手・すかいらーくが「礼を尽くした」一体なぜ では、外食最大手である「すかいらーく」が礼を尽くした今回の買収の背景について、ライターの宮武和多哉氏が、実際の資さんのメニュー写真を交えながら詳細に解説している。
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