資さんうどん「240億円の巨額M&A」成立の舞台裏 最大手・すかいらーくが「礼を尽くした」一体なぜ
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外食大手「すかいらーくホールディングス」(以下「すかいらーくHD」は、2024年10月1日に、チェーン店「資さんうどん」(以下:資さん)を運営する「株式会社資さん」の傘下入りを発表した。
「すかいらーくHD」と「資さん」。前者はファミリーレストラン「ガスト」「ジョナサン」などを全世界に3000店以上も展開するのに対して、後者の店舗数は70店少々。かつ店舗の大半が創業の地(福岡県北九州市)にある「ローカルチェーン」であり、業界としては典型的な“大が小を呑む” M&A案件といえる。
しかし、すかいらーくHDは資さん買収に、「時価総額+営業利益3~5年分」とも言われるM&Aの相場としては破格の「240億円」を資さん取得に投じている。
資さんは2023年8月期で「営業利益7600万円」かつ、すかいらーくHDは「資さんが長年愛された味やサービスを守ることを前提」と事あるごとに明言しており、図式としてはむしろ「“大(すかいらーくHD)が小(資さん)に礼を尽くして迎え入れる」ような図式にも見える。
なぜ、世界を股にかけるすかいらーくHDは、“北九州のソウルフード“資さんを仲間にする必要があったのか。すかいらーくHD、株式会社資さん両社にアンケートで疑問に応えていただきつつ、その背景と今後の展開を分析していこう。
「資さん」買収の目的は「ガスト業態転換のカード作り?」
すかいらーくHDの発表によると、2025年の資さん出店は計21店を予定。その後は「2027年までの中期計画で、店舗数を現状の74店から210店にする」計画だという。
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