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資さんうどん「240億円の巨額M&A」成立の舞台裏 最大手・すかいらーくが「礼を尽くした」一体なぜ

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また、2025年に出店する店舗のうち、6割にあたる12店が、同グループ内の「業態転換」での開店を予定しているという。実は、既存店から資さんへの業態転換が、すかいらーくHDの悩みのタネである「自社ブランドによるカニバリの解消」に繋がるのだ。

すかいらーくホールディングスのポートフォリオ。「資さん」は「ファミリーダイニング」「低単価」側か(同社資料より)

「カニバリ」=「カニバリゼーション」=自社サービスの競合だ。業界全体でみても、2005年には10000店近くあったファミレスは今や7000店少々にまで減少。

特に、すかいらーくHDのトップブランドとして店舗数で首位を快走してきたガストは、成長局面の際の大量出店が仇となり、「自社(ガスト)同士での競合」が発生している。

青森県八戸市での「ガスト・カニバリ解消」の実例。すかいらーくHD決算資料より

すかいらーくHDの公開資料によると、こういった「カニバリ」状態などの問題を抱える41店舗を業態転換、2023年には約46%の売上増に繋がっている。特に青森県八戸市では、3km圏内の2店のうち1店を「しゃぶ葉」に転換。ガストは売上22%増加、しゃぶ葉は何と142%増を記録しているという。

こういった施策は、すかいらーくHDの事業計画にもはっきりと「地方ガストブランドの“間引き”」と明記されている。ガストはファミレスとして、100席以上の広め物件(通称「大箱物件」)を多く抱えており、資さんは「ガストからの業態転換の有力候補」「新しい客層を取り込むために起爆剤」として必要とされている。

「資さん」の看板メニュー「肉ごぼ天うどん」(写真:筆者撮影)

資さんから聞いた事実 「関東進出は、アレが決まる前から…」

なお、資さん担当者にひっそりと教えていただいた所によると、関東進出の1号店(千葉県・八千代店)、都内1号店(両国店)に出店した2店は、「すかいらーくHDのM&Aとは全く関係なく、出店の準備を進めていた」という。

「資さん」・関東1号店(千葉県・八千代店)(写真:筆者撮影)

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