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資さんうどん「240億円の巨額M&A」成立の舞台裏 最大手・すかいらーくが「礼を尽くした」一体なぜ

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すかいらーくHD金谷実社長は、「私どもの方から、『資さん』を所有するファンド(ユニゾン・キャピタル)に声をかけ、競争相手もあったが選んでいただいた」とインタビューに答えている(2024年10月22日・西日本新聞より)。

単独での東京進出を狙っていた資さんにとって、自前の物流網と豊富な物件を持つすかいらーくHDからのオファーは“渡りに船”でもあり、すかいらーくHDが買収に約240億円を投じたのも、「競合相手があった」という背景があった……のかもしれない。

資さんのメリット「利益率の向上」 ただし実現には課題アリ?

一方で、資さんにもすかいらーくHDと組むメリットはある。先に述べた「ファミリーダイニングとしての大箱物件」の提供だけでなく、現時点で2%程度とされる営業利益率の改善だ。

資さんの出汁はサバ節・干しシイタケなどから丁寧に取られている(写真:筆者撮影)

現在の資さんは多くの材料を本社工場(福岡県北九州市)で製造しており、店内でも「1日3回、8時間ごとの出汁取り」「店内製麺」など、とにかく手間がかかる。

和食そのものが洋食メインのファミレスより調理の手間がかることもあって、資さんの利益率は、すかいらーくHD全体の利益率(約6%)には及ばない。

すかいらーくHDでは、利益率の改善について「約3000店規模の調達力や、全国10カ所ある自社セントラルキッチンでの食材の内製化・物流インフラを活用し原価低減を図るとともに、すかいらーくの既存店舗を活用した出店展開により、収益性の向上を図ってまいります」と答えており、いまの「資さん」本社工場のみに頼らない体制がコストの押し下げ、利益率の向上に繋がると考えているようだ。

しかし同時に資さんでは「八千代店で野菜の一部を(すかいらーくの)セントラルキッチンでカットして店舗に納品するなどの取り組みがスタート、今後の活用拡大は検討、調整中」「将来的にはすかいらーくのセントラルキッチンでの製造も視野」「本社工場で製造する味を再現できるということが前提となりますので、慎重に進めていく次第です」との回答で、すかいらーくHD、資さん双方合意の上での本格的な協業は、まだこれからのようだ。

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