電話を終えて、無事に地下鉄に乗り込み、同僚に様子を尋ねました。電車の事故で10分遅れることは伝わったとのこと。ホッと一安心と思いきや、同僚が「ヤマダさん、もう駅で待っているらしい」と言うではありませんか。いやいや、だってまだ16時30分。いくらなんでも30分前から待つわけはないでしょう。
「待ち合わせ時間は17時で間違っていないよね?」と聞くと、ヤマダさんも「10分くらいの遅れなら、問題ない」って言っていたというではありませんか。
確かに「いつも待ち合わせは早めに行く」という人もいるので、「ヤマダさんもそのひとり?」「でも30分は早いよね?」などとやり取りをしているうちに、目的の駅に到着しました。とにかく40分も待たせてしまったのでは申し訳ないと、ふたりで待ち合わせ場所までダッシュ。階段を駆け上がって、地上にたどり着いてみたら、ヤマダさんの姿が見当たりません。すごく待たせてしまったので、きっと、どこかで時間をつぶしているのだろうと、とりあえずその場で待ってみました。
5分ほどすると、通りの向こうから走ってくるヤマダさんが見えました。「スミマセン!I’m sorry.オフィスから思ったよりも遠くて遅れちゃいました! こんなにかかると思わなかったんです。」
時をかけるビジネスマンの大きな間違い
「ヤマダさん、連絡差し上げたときはオフィスにいらっしゃったんですか」と聞くと、「ええ。16時30分くらいでしたよね」という返事。すると慌てて同僚が、You said you were waiting at the station, didn’t you?(駅で待っているって言いましたよね?)。ヤマダさん、遅れてきたのを責められたと勘違いして「駅でお待ちしていますって言っておいて、お待たせしちゃってすみません」。「とんでもない。こちらこそ遅れて申し訳ないです」と言いながら、筆者はヤマダさんの間違いに気づきました。
「駅でお待ちしています」という日本語がポイントです。この文「(待ち合わせ時間に)駅でお待ちしています」という意味もありますが、「今、駅で待っている最中です」という意味もありますよね。ヤマダさんは前者の意味で言ったのですが、字面が一緒だったので、後者を訳した英文I’m waiting at the station.と現在進行形を使ってしまったのです。それを聞いた同僚は「今すでに待っている最中」と焦ったのです。この場合には、I’ll be waiting at the station.と未来進行形にするのが正しい英文です。
この間違い、気を付けないと相手を急かしているような、こちらがイライラとしているような感じにも聞こえてしまいます。ヤマダさんのケースは、ヤマダさんの方がクライアントだったからよかったのですが、クライアントに対して使ってしまうと、失礼になってしまいますので気を付けましょう。たとえば、クライアントの方から待ち合わせに遅れると電話があったと想像してください。この時に現在進行形を使うと、こんな感じに…
この時は、I’ll be waiting in the lobby. 「(到着する頃に)ロビーでお待ちしております」と言いましょう。
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