日本男子は忙しいフリをするのが得意!? 仕事のスピードが世界基準より遅すぎる

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大きな成果を出す短時間を作るために、あえて仕事しない時間を作る。従来の日本男子のやり方に逆行するようなお作法ですが、休暇を取るタイミングでもあるこの夏に、はたらく女性に試していただきたい世界標準のお作法です。

WorryとThinkの違いを知ろう

次に、日本男子の仕事スピードが遅い2つ目の原因である、「タスクの進め方に問題がある」について考えてみます。

最近、海外出張から帰国した瞬間に感じるようになったのが、日本のビジネスパーソンはよく「タスクが止まる」こと。職場でタスクをポンと任されると悩んでしまい、手が止まり思考も止まるフリーズ状態になる人が増えているように感じます。

夏休みの宿題というタスクを課されて、結局手がつけられないまま夏休み最後の日を迎え、悩んでフリーズするのび太くんを思い出します。そんなとき、ドラえもんはのび太くんにこう言うんです。

「悩んでいる間にひとつでもやりなよ」

タスクとは「悩む(Worry)」ものではない。「考えて(Think)実行する」ものである。世界基準の仕事スピードの持ち主も同じことを言います。ドラえもんのひと言は深いです。「Worry」と「Think」というアクションの違いを知ることは、仕事スピードを上げる近道です。

タスクとは、定められた期限までに成果物を作ったり問題を解決したりすること。やるべきことが決まっていて、それを実行するアクションです。タスク実行のお作法は、実はいたってシンプルなんです。

(1)思考:情報収集して分析、タスクを進める方法を考える

(2)行動:何をするか、どう進めるかを決めて行動に移す

(3)作業:段取りを組んで作業する

調査して思考し、決断して行動し、段取り組んで作業を進める。それが「Think(頭を使って考える)」のお作法です。「Worry(悩む)」は決まったことを実行するタスクには不向きです。Worryは次の3つのステップを踏んで、心を整えるお作法です。

(1)悩む:不安やストレスを感じたら、まず悩む

(2)解釈:カウンセラー、先輩、自分自身と対話して、自分なりに整理して解釈する

(3)解消:悩みを整理・解釈することで悩みを解消

心を整える必要があるときは、仕事から離れてゆっくり悩む。タスクを実行するときは、Don’t worry 、 スピード感を持って考える。シンプルですが、WorryとThinkを上手に使い分けて、タスクの進め方を変えるだけでも、世界基準の仕事スピードにぐんと近づけると思います。海外から日本を見ると、「ここが遅いよ、日本のサラリーマン」というようなポイントにあらためて気づかされます。これまでの日本男子的な仕事のやり方では、世界基準の仕事スピードに追いつくのは難しい。はたらく女性には、これまでとは違う新しい仕事のお作法をぜひ、試していただけると嬉しいです。

最後に、世界基準の仕事スピードを身につける、とっておきの教えをご紹介します。みなさんすてきな夏をお過ごしください。

「忘れないでください。仕事を増やしてはいけません。簡単にするのです。」〜リチャード・G・スコット

 

タブ タカヒロ ビジネスコンサルタント、はたらく女性のかていきょうし

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たぶ たかひろ / Takahiro Tabu

東亜大学トータルビューティ学科客員准教授。外資系アパレル2社→MBA取得→コンサルティングファームという経歴で現在に至る。新卒でやたらと有能な女性の多い職場で女子力を鍛えられ、海外勤務も経験。MBA取得後、コンサルティングファームにて、男くさいロジックと競争の世界に翻弄され、一瞬自分を見失ったものの、土壇場で開眼。周りを巻き込み味方を増やしてわくわく仕事をするスタイルを確立。週末にライフワークとして行っている「はたらく女性のかていきょうし」は大人気の数カ月待ち。セミナー開催や、雑誌取材など多方面で活躍中。共著に『外資系コンサルはなぜ、あえて「手書き」ノートを使うのか?』(KADOKAWA)。

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