「生涯プログラマー」でやっていくためには? まつもとゆきひろ氏が若手に贈る3つの言葉

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Rubyの父として知られるまつもとゆきひろ氏に話を聞いた
社会人になったばかりの若いエンジニアの中には、一度この道に足を踏み入れたからには、自らの技術一本で身を立てていけたらという、強い思いを胸に秘めている人も少なくないだろう。
今回、Rubyの父として知られるまつもとゆきひろ氏に、あえて「これからの時代に技術だけで生き残るには?」という偏ったテーマで取材を依頼した。返ってきたメールの冒頭にあったのが、次の一文である。
「技術だけで生きるというのは幻想である」。まずはその真意を聞くところから、取材は始まった。

「技術だけで」という言葉のイメージと実体のズレ

本記事は『エンジニアtype』(運営:キャリアデザインセンター)からの提供記事です

──本日はお忙しいところお時間いただき、ありがとうございます。さっそくですが、まずはいただいたメールにあった「技術だけで生きるというのは幻想」という言葉の真意、まつもとさんのお考えから伺いたいのですが。

まず、多くのエンジニアは技術を使ってモノを作ることに興味を持っているでしょうから、エンジニアとしてその技術を追求したいという気持ちは分からないわけではありません。

一方で、日本の場合はキャリアパスとして、ある程度の年齢になるとプロジェクトリーダーやマネジャーになってくださいと言われる流れがありますよね? マネジメントは多くのエンジニアにとって直接開発するよりあまり面白くないことでしょうから、マネジメントの方に行きたくないという気持ちも分かります。

結果、「技術だけで~」と表現したくなるのは理解できます。

けれども、マネジメントの方へ行かないからといって「技術だけで」生きているかというと、必ずしもそうではない。設計するためには使う人が何を求めているか把握する必要があるし、効率よく問題解決する方法を考えられる必要もある。

エンジニアとして成果を出すためには周りの信頼を得ないといけない。もちろん「Javaのこのプログラムについては何も見なくても書けます!」という風に技術によって信頼を得ることもありますが、それだけで成り立っているわけではない。

分からないことがあったら調べるための能力だったり、誰かに相談するためのコネクションだったりがあることも信頼につながりますし、普段から勉強して得た知識量や、痛い目に遭った経験が重宝されることもあるかもしれない。

そのどれをとっても、単純に技術とはいえないですよね?

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