個々人が好きなことでもの作りをしようという”メイカー・ムーブメント”は、決して男性だけの世界ではない。数は確かに少ないかもしれないが、女性たちも確かにいる。
その中で大きな注目を集めているのが、アヤ・ブディア。彼女は、リトルビッツという電子モジュールの製品群を開発、それが広く人気を呼んでいるのである。
トイレの空き状況がわかる掲示板まで!
まず、リトルビッツでどんなことができるのかを簡単に説明しよう。
リトルビッツは、カラフルな色をした小さなモジュール製品でできている。あるものは電力、またあるものはスイッチ、さらに光源、音源、マイクロフォン、センサー、振動モーターなど50種類ほどの機能をそれぞれに備えている。ユーザーは、これをマグネットでくっつけたりワイヤーでつないだりして、自分なりの電子製品を作ることができるのだ。
まるで子供のおもちゃのようにも聞こえるが、ユニークなのは電子のことを知らない初心者から、子ども、ちょっとしたものを作ってみたい大人、もの作りが大好きなメイカーの人々、そして先端的なプログラマー、果ては宇宙関連の研究者まで、あらゆる人々が使える道具になっていることである。
リトルビッツを使って作られたものの例はいろいろある。
たとえば、会社員の場合。オフィスのデスクに座りながらトイレの空き状況がわからないものか。そこでリトルビッツを使って天井の下に表示板を作ってしまった。よく飛行機の機内にあるようなものだ。
また、急いで出かける際に忘れがちなスマートフォンや鍵、財布の類。玄関のドアへ近づいていくと、振動をキャッチして玄関横にあるトレイが光や音で知らせてくれるという仕組みを作った人もいる。
あるいは段ボールでギターやアコーディオンができた例、クリスマスツリーの飾りをスマートフォンでコントロールできるようにした例なども、リトルビッツでできたことのほんの一部だ。
最近はNASAとのつながりもある。NASAの科学者やエンジニアがリトルビッツと協力して、スペースキットという製品を企画、すでに人気製品になっている。
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