「写真を売る」副業で年収700万円の秘密 アマがプロに勝つ!稼げる写真の条件
東証1部上場の金融会社に勤めていた竹内正人さん(40)が、本格的なデジタル一眼レフカメラを初めて買ったのは2006年だ。それから約8年。竹内さんは今、「写真を売って」生計を立てている。直近の月収は約80万円にも上る。年収1000万円プレーヤーとほぼ同等だ。
驚くのは竹内さんがつい最近まで会社員だったこと。アマチュアカメラマンながら、一流企業サラリーマン並みの収入を副業で得てきたのである。今年10月、竹内さんは19年勤めていた会社を辞めた。1人のプロカメラマンとして生計を立てていく――。いわゆる脱サラだ。
「写真は好きじゃない」
ところが竹内さんに聞くと「私はもともと写真好きでもなんでもなくて、今もそう」。つまり、写真好きが高じたワケではないという。そんな竹内さんが、どうやって月収80万円を稼ぐようになったのか。
始まりは2007年5月。写真投稿サイト「PIXTA」(ピクスタ)にクリエイターとして登録したのがきっかけとなる。
当時のピクスタは2006年に産声を上げたばかりのベンチャー企業。プロ、アマ、本業、副業を問わず一般から広く写真の素材を集め、それを一般に公開して商用目的で利用したい企業などに販売するというネットサービスである。風景や個人、動物など写真の内容はさまざま。たとえば旅行会社がパンフレットに使う風景写真として買う、求人サイトが募集職種のイメージカットとして利用する、フリーペーパーのワンカットで掲載する、などといったような使われ方をされている。
写真の素材をピクスタに投稿するのがクリエイター。クリエイターはピクスタが販売した売り上げのうち一定分を報酬として受け取る。竹内さんは2013年に1214万円分の写真をピクスタ経由で売り、報酬は年収換算で約700万円に上った。現在、ピクスタに登録する約14万人のクリエイターの中で4位。1~3位は本業のプロカメラマンなので、副業でやっているアマチュアカメラマンとしてはトップの実績となった。
ピクスタにはクリエイターから集まった約900万点の写真が投稿されている。竹内さんはこれまでに3万8000点の写真を投稿。登録当初の報酬は月7000円だったが2年後には月10万円程度まで増え、それから順調に伸ばしてきた。