教育に今、いちばん燃えている女性経営者がいる。ディー・エヌ・エーのファウンダー・取締役である南場智子氏だ。
1999年に創業してからソーシャルゲーム事業を中心に展開してきた同社。最近では遺伝子(DNA)解析キットを販売するなど、ゲーム以外の事業も展開している。南場氏自身、日本野球界初となる女性の球団オーナーに就任し、話題にもなった。
その同社が教育分野に参入し、昨年10月からは佐賀県武雄市の公立小学校で1年生を対象にプログラミング教育を行ってきた。その実証研究の発表は2月12日に行われたばかり。新しいことを矢継ぎ早に手掛けてきた南場氏が考える教育とは何か? なぜIT教育なのか? 日本の教育はどうあるべきか? 南場氏に話を聞いた。
なぜ南場さん自らIT教育なのか?
――南場さんが公立小学校、それも佐賀県武雄市でプログラミング教育に力を注いでおられるとは、知らない人も多いと思います。そもそも、これまでの人生で、教育との関わりは?
もともと私と教育の間に、何か深い関係性があるわけではないんです。ただ、日本において、起業をもっと活性化させたいなと思ってきました。自分の中に愛国心みたいなものがあり、いつも日本という国の競争力を考えているのです。
日本は、中国やアメリカと比べて起業意欲が低く、それを何とかしなければと思っています。それから、日本の伝統的な製造業が、製造機能を持たない、シリコンバレー発の会社に負けています。たとえば、GoProといったアクションカメラだったり、あとはカーナビなど。日本企業は基礎的な技術は非常に高いし、製造技術も高いのに、相対的に競争力を失っています。
一方で、スタートアップ、いわゆるニューエコノミーがどんどん出てきているかというと、そうでもありません。そこでも日本は負けてしまっています。
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