enaはなぜ「都立中高一貫校」に強いのか 全10校中7校で合格者数トップに

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少子化の中、enaは都立中高一貫校へのシフトによって業績を伸ばしている

少子化の流れが進む中で、苦境に陥っている国内の教育産業。昨年、大手の代々木ゼミナールや秀英予備校が校舎の大規模リストラを発表したことは記憶に新しい。

こうした状況の中で、直近2期は連続して過去最高益を更新。今2014年度も3期連続で更新する見通しの学習塾がある。東京都内を中心に「ena」という塾を展開している学究社だ。

同社の強みは、都立中高一貫校への圧倒的な合格実績。都内10校のうち、今年度は7校で合格者数1位を獲得。千代田区立九段中等教育学校を含めた合格者数は624人で、一昨年の514人、昨年の576人から着実に実績を上げ続けている。

なぜ都立中は大人気なのか

石原慎太郎知事(当時)の改革で2005年に誕生した都立中は、極めて高い人気を誇っている。今年度入試の倍率は6.22倍。開成中などの難関私立でも4倍前後、東京大学前期試験でも3倍前後なので、都立中の倍率がいかに高いかが理解できるだろう。

なぜ都立中はそこまで人気を集めているのか。私立だと年間100万円近くかかる学費が、都立の場合はほぼ無償。それでいて、教員は公募制で集められ、私立に引けを取らない教育環境が整えられている。大学進学の実績でも、小石川を筆頭に毎年1割前後が東大など難関国公立に合格している。

おカネをかけずにいい教育が受けられるに越したことはない。だが、入試は東大を上回る高倍率。しかも、実にクセのある問題なのだ。

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