昔も今も「東大」は日本人があこがれる最高学府だ。「できればわが子も東大に」と、教育雑誌で受験ノウハウなどを仕入れる親も少なくないだろう。ところが、東大生の「リアル」が語られることは意外と少ない。彼らはどんな人生を歩み、東大に入ったのか。親になったとき、彼らは子どもにどんな教育をほどこしているのか……。今連載では、そうした「東大生の謎」について、東大の同窓組織のひとつ「東大ママ門」のメンバーたちが迫る。
東大卒業生のうち、自分の子どもにも東大を勧める人は必ずしも多くない？
A：自分の子ども東大に入れたいとか思う？
B：別に東大がすべてとは思わないからなー。
A：だよね。
B：でも、ＭＩＴ行きたいとか言い出したら、喜んじゃうかも。
A：確かに……。
これは、ある日の東大卒ママ同士の会話です。
東大を出た女性はさぞかし教育熱心で、当然、東大に愛校心もあるのだろうと思われるかもしれません。しかし、必ずしもそうでもない、というのが周囲の東大卒ママを見回したときの率直な感想です。ただ、その代わりに、別のことを子どもに期待していたり……。
東大卒ママは、自身の経験から子どもにどんな教育をしようとしているのか？ 今回の記事でも東大卒ママ70人へのアンケート調査を基に、その謎に迫ってみたいと思います。
自分が東大に入った理由は「成績がよかったから」
その前に、そもそも東大卒ママたち自身は、なぜ東大を受験したのかをざっと見てみましょう。
いちばん目立ったのは、東大の内実を見て……というよりは、国内最難関ゆえの「安易」とも言える理由です。
まず、アンケートをとった70人のうち11人が「成績がよかったから」と答えています。
・受けたら受かると言われたから。（2000年農学生命科学科卒）
・自分の成績が東大に入れるレベルであることがわかったので。（2001年教養学部卒）
・成績はよく、実際、そんなに頑張らなくても合格できそうだった（実際できた）ので、行かないともったいないかと思った。（2004年法学部卒）
・急に成績が上がったのでやれるところまでやってみようと思った（2007年法学部卒）
……ね、こんなこと近所のママ友には言えないでしょ。ただの嫌なやつですよね。
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