珍種?「東大女子」はいかにして育ったか ごくフツウの家庭から、東大生は出せるのか?

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 昔も今も「東大」は日本人があこがれる最高学府だ。「できればわが子も東大に」と、教育雑誌で受験ノウハウなどを仕入れる親も少なくないだろう。ところが、東大生の「リアル」が語られることは意外と少ない。彼らはどんな人生を歩み、東大に入ったのか。親になったとき、彼らは子どもにどんな教育をほどこしているのか……。今連載では、そうした「東大生の謎」について、東大の同窓組織のひとつ「東大ママ門」のメンバーたちが迫る。
東大卒たちの知られざるリアルに迫る!(写真は東京大学安田講堂)

東大を卒業してはや数年。子どもを産んで育児を始めて、驚いたことがあります。それは、世間の「東大熱」の高さ。0歳から「知育だ」「IQだ」と情報が飛び交い、子どもを東大に「入れた」親の“サクセスストーリー”が載った雑誌を食い入るように見つめるママたち……。

でも、それを見ていて、東大卒のひとりとして「うーん」と思うことがあります。「こういうのに出ている東大生親子の事例って、かなり特殊では……」「そんなに小さい頃から東大が目標って……」。

しかし、日頃それを人に話す機会はありません。近所のママ友には、まさか自分が東大卒だなんて明かせませんから。びっくりされるのがオチだし、「近寄りがたい人」と思われてしまっては、地域での子育てにも差し障りが出てしまいます。

周囲の反応を気にして、本音が言えない――。そう思い悩む東大生、東大卒はとても多いものです。東大卒のママ160人が登録している私たち「東大ママ門」も、そうした悩みを抱えて集まった団体のひとつです。

そこで本連載では、私たちが日頃語りたくても語れない「東大卒の本音」について明らかにしていきたいと思います。「東大ってすごい」でも「大したことない」でも、感想はさまざまあるでしょう。でも、そうした東大卒の「リアル」を知ってもらい、将来、東大を目指したいと思う親子の方などに、なんらかのお役に立てばうれしく思います。

放任主義が「東大女子」を生む?

第1回は、「東大女子」について。東大にも女子学生は年々増えていますが、なお世間的には「珍種」かもしれません。彼女らはどう育てられたのか。その教育に満足していたのか。東大ママ門70人へのアンケート調査を基に、考えてみたいと思います。

さて、東大受験と言うと、子どもの頃から親子二人三脚で、とか、1日十何時間も寝ずに勉強して……というイメージがあるかもしれません。ところが、東大卒ママたちに自身が育った家庭の教育方針を自由記述で書いてもらうと、意外な結果が得られました。最も多かったのは親は「放任主義」「自由に/好きなようにさせてくれた」という回答だったのです。

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