東大出身者は、子どもを東大に入れたいか? 「東大なら安泰」とも言えない卒業生の心境

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「やりたいこと」で身を立てる、もしくは東大レベルまたは海外の大学に入るというのは、どちらもかなりハードルの高い願いに思えます。「好きなことをしなさい」と言いながらそれなりの成績も求めるダブルスタンダードを子どもに押しつける「高学歴親の罪」(先月AERAの特集のタイトルになっていました)にならないよう気をつけたいものです。

さて、今回の結論としては、東大卒のママたちは、子どもに目指してほしいものとして、「東大」をそこまで特別視したり絶対視したりしていないことがわかっていただけたかなと思います。

でも、結果的に「成績がよかった」などの理由で東大に入っていることが多いママたち。子どもたちの意思を尊重しながら、(たとえ成績が自分のようによくなくても!)本人が選ぶ道をどのように広げたり、支えたりできるかについては、何か道筋が見えているわけではありません。

東大ママ門はまだ子どもが0~3歳などと小さいママが中心なので、受験はいつの段階でさせるのか、学校や塾に任せっきりではいけないのか……などを気にしながらも、共働きで割ける時間が限られていることもあり、子どもの教育は悩みの種です。自分の仕事も、子どもの教育もしっかりしたいジレンマには、人一倍引き裂かれているかもしれません。

能力や収入の面で恵まれたごく一部の人だけでなく、誰もが安心して子どもの教育を任せられる公的機関と、生き生きと働ける環境が整備される方向を期待したいものです。

さて、こういった悩みが「ママ」だけのものというのも変な話。ちゃんとパパにも登場してもらいましょう。次回は、東大卒ママと結婚・出産について見ていきます。

(撮影:今井康一)

東大ママ門とは…2011年のホームカミングデーをきっかけに発足した東大卒業生の同窓組織です。現在、0歳から小学生の子を持つ層を中心に、20~40代の東大卒のママ(一部プレママ)160人が登録。「子育てをしながら働き続けるつもりだが、会社内にはまだロールモデルがいない」「子どもの教育観について近所のママ友にはどこまで打ち明けていいかわからない」というような悩みを、同じ大学出身という共通基盤の下にFacebookのグループページ(非公開)で共有したり、オフ会、勉強会などで情報交換しています。

 

東大ママ門 東大卒ママの同窓組織

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とうだいままもん / Todai mamamon

団体概要:2011年のホームカミングデーをきっかけに発足した東大卒業生の同窓組織。Facebookグループには0歳~小中学生の子を持つ母親を中心に、20~50代の東大卒業生560人が登録。「子育て中だが、会社内にはまだロールモデルが少ない」などの悩みを、同じ大学出身という共通基盤の下にFacebookのグループページ(非公開)で共有したり、オフ会、勉強会などで情報交換している。立ち上げの経緯はこちら(リンク)。

立ち上げ人:中野円佳。2007年、東京大学教育学部卒。『「育休世代」のジレンマ』(光文社新書)著者。同著では制度が整ってからも総合職女性が活躍しづらい社会構造を指摘。高学歴女性の抱えるジレンマについて触れている。

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