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<東大ママ門ができるまで>

東大ママ門立ち上げ人:中野円佳 
2007年教育学部卒、『「育休世代」のジレンマ』著者)

5年ほど前、ある、東大卒業生が集まるイベントで、私は、世界をまたにかけて活躍している30代後半の男性が話しているのを興味津々で聞いていました。 話がひととおり終わった後、その方のご友人が、「しかも、こいつ、なんと子どもが3人もいるんだよ」と言いました。ところが、彼のたどってきた輝かしいキャリアのストーリーの中には、育児の話、家庭の話はまったく出てこない。海外を飛び回っている様子、奥さまは専業主婦とのお話から、「3人の子どもを主に育てた(ている)のは奥さんなのだろうなぁ」と想像できました。

もちろん、専業主婦(夫)になること、専業主婦(夫)の配偶者を得ること、はたまた子どもを1人も産まないことも選択肢のひとつとして当然あっていいと思います。ただ、そのとき、共働きで子どもも欲しいと考えていた私にとって、家庭生活との両立の悩みや葛藤を抱えずに済んだような彼のキャリアは、「自分の参考にはならない」ものでした。「共働きで子育てしている方は、海外に行くときとかどうされてるんですかね……」と口に出すと、意外なことに、自分より年下の男性からも「実は、自分も、今、付き合っている彼女とそれぞれ留学したい先や赴任したい先があるが、一緒に住む見通しが立たないまま結婚していいものか、悩んでいる」という声が挙がりました。

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東大ママ門立ち上げ人、中野円佳さんの著書『「育休世代」のジレンマ』

ちょうどその頃、東大は卒業生とのネットワークを形成し始め、若手にもホームカミングデーなどに来てもらい、在校生と卒業生の接点や卒業生による大学へ の寄付を増やそうとしていました。キャリアやビジネス、社会問題については、存分にディスカッションする機会が設けられつつありました。ところが、そのような場の多くでは、家族をどのように形成していくかについてや、ライフイベントも含めた人生設計については、ほとんど触れられることがなかったのです。子育て真っ最中の共働きカップルは、休日に大学のアラムナイ活動に参加する余裕もないのか、在校生向けに話をしに来る卒業生も独身か、お子さんがいらっしゃる場合はほとんどが専業主婦の妻を持つ男性です。

でも、本当は大学生だって若手の卒業生だって、もっと家族のことも含めた話が聞きたいはず。そして、子育て真っ最中の卒業生たちも、同じ大学出身だからこそ共有できる悩みや一緒に議論したい材料を持っているはず――。そのような問題意識から、「子どもを連れて来ることのできる卒業生イベントをやろう」と思い立ったのが、2011年初頭。それが、「東大ママ門」の立ち上げのキッカケでした。(当初は、パパ・ママ会を謳っていましたが、今の日本社会にはまだま だ「母親」特有の悩みが多く、現在は基本的に女性メンバーのみで構成しています)

この連載は、このような経緯で生まれた「東大ママ門」が運営4年目、登録者160人を超え、これまで蓄積してきたコミュニティの実態を一度調査したいという思いと、それを内輪だけで共有しているのはもったいないという思いから、アンケートを実施したうえで、運営メンバーが手分けをして書いていきます。

 

 

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