中高一貫校がますます大学受験で有利なワケ 6年後のセンター試験廃止でも凋落しない

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(写真:KAORU/Imasia)

今年も中学受験のシーズンが終わった。終わったそばから気の早い話に聞こえるかも知れないが、2015年に私立や国公立の中学受験に挑んだ今の小学6年生が、高校卒業を目前にする頃の2021年の大学入試から、センター試験が廃止されることがほぼ決まっている。代わりに2段階の「到達度テスト」が実施されるというのが、現時点での見込みだ。

国公立大学の2次試験においては、いわゆる「脱ペーパーテスト」へという青写真が描かれている。大学入試が脱ペーパーテスト化すれば、これまで高い大学進学実績を誇っていた中高一貫校が凋落するのではないかという憶測もあるようだが、多分そうはならない。結論から言えば、この大学入試改革は、中学受験に合格して、この春、中高一貫校に進学する子どもたちに有利に働きそうだ。

センター試験の代わりは到達度テスト

センター試験に変わる「到達度テスト」は、基礎編に当たる「高等学校基礎学力テスト(仮称)」と発展編に当たる「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の2段階で行われるという。簡単に言えば、前者は高校で学ぶべき基礎が身に付いているかどうかの確認、後者は大学に入学するために必要な学力が身に付いているかを確かめる。これらを高校在学中に複数回受験できるようにして、自分の納得がいくスコアを大学に提出するという構想だ。

こうなると中高一貫校生には有利な展開となりそうだ。中高一貫校では、中学生のうちに高校での履修内容にまで踏み込んで学習する場合が多く、学力の仕上がりが早い。例えば兵庫県の名門、灘校の生徒たちは、高校1年生の1月に、高校2年生用のセンター模試を受験する。その時点で、センター試験に対応できるだけの学力が身に付いてしまっているのだ。

少なくとも「高等学校基礎学力テスト(仮称)」に関しては、灘に限らず、多くの中高一貫校で早々に満点を取ってしまう生徒が続出するのではないだろうか。「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」についても早い段階でハイスコアをたたき出す生徒が出そうだ。早めに「到達度テスト」をクリアしてしまえばその分、各大学の個別選抜(現在の2次試験)対策に時間をかけられる。

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