日本一と言っていいほど多忙な経営者が、佐賀県の公立小学校の教育に熱を入れている。ディー・エヌ・エーのファウンダー・取締役である南場智子氏だ。1999年に創業してからソーシャルゲーム事業を中心に展開してきた同社だが、昨年より教育分野に参入。昨年10月からは佐賀県武雄市の公立小学校で1年生を対象にプログラミング教育を行ってきた。
その実証研究の発表は2月12日に行われたばかり。新しいことを矢継ぎ早に手掛けてきた南場氏が考える、日本に必要な教育とは何か? なぜIT教育なのか? 前回記事に続き、南場氏に聞く。
※前回記事「DeNA南場氏は、なぜ教育に燃えているのか」はこちら
「ガルル型」教育ではもう勝てない
――前回記事で、日本の教育に関する懸念について聞きました。すでに日本の教育が時代に合っていないのかもしれないと感じましたが、この状況は変わるでしょうか。5年後、10年後、どのような教育が行われていると思いますか?
先行きはわからないですね(笑)。今後の日本は、とにかく社会保障が大変だと言われていますが、それも割り切る必要があると思いますね。ある程度、おカネがある人は、自分のおカネで余生を暮らすとか。必要のない薬を山ほどもらっている気もしますしね。
そのほかにも日本にはいろいろな課題がありますが、必要のないサポートは大胆に切ってでも、教育に国のおカネをもっと使っていいと思います。しかも、その教育のモデルが「ガルル型」(=南場氏の造語。馬車馬のように頑張ること)ではなくて、何か今までとは違う問題を解決する、新しいものを作り出すということが本当にできるのかどうか。タブーはなくして、今の延長線上のものを切り離して、おカネを使って改革をしていく必要があると思います。国の未来は子どもたちが担うのですから。
――日頃、取材をしていて思うのですが、IT教育をはやりものだという人もいますが、どうでしょうか。
ああ、それはもう、何を懸けてもいいですね、その人とは(笑)。はやり廃りのわけないじゃない。廃れてるときは、当たり前になっているときだと思いますよ。
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