セントラルキッチンで仕込んだスープは、1人前ずつに分けて保存した上で店舗に配送。店舗では注文が入ると、耐熱容器に移して薄切りのバゲット、グリエールチーズをのせてオーブンで焼成しています。
伸び悩みを経て、サイズリニューアルで不動の座へ
今では不動の人気を確保しているオニオングラタンスープですが、過去には人気が伸び悩んだ時期もあったと岡野さんは振り返ります。転機は、2013年にサイズをリニューアルしたことだそうです。
それまで、オニオングラタンスープは料理と一緒に食べるというよりも、サラダと合わせれば十分なほどのボリューム感がありました。そこで、現在のようなサイズ感にリニューアルし、どんな料理にも合うメニューとしました。
「ロイヤルホストがお客さまに提供したい『豊かな時間と食』という観点から、1つの商品でお腹いっぱいになるのではなく、たくさんのメニューを食べていただくためにリニューアルを行いました。
現在も『たっぷり食べたい』というご意見も多く頂戴するのですが、オニオングラタンスープから始まり、ハンバーグやステーキを食べていただき、最後にデザートで締める。そうした豊かな食事をスタートするメニューとして、ぜひオニオングラタンスープを楽しんでいただきたいと考えています」
ランチの時間帯では、追加料金を支払うことでセットのスープをオニオングラタンスープにできるオプションも設定しています。実際に変更する人は多く、ランチ時間帯に10食ほどが出ているそうです。
サイズを小さくしたことには、客層の変化もあるかもしれません。以前の1グループ当たりの平均客数は3人ほどだったところ、現在は2人前後まで減少しており、1人客の割合も増えているそうです。大きなメニューを頼んでシェアするのではなく、少量をたくさん1人で食べたいというニーズが背景に垣間見えます。
ルーツをロイヤル中洲本店までたどれば、70年ほどの歴史があるオニオングラタンスープ。仕込みに手間がかかるメニューをファミレスというチェーン店で展開している裏には、単なる大量生産にとどまらない工夫やアイデアが潜んでいることが、今回の取材でよく分かりました。
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