筆者は梅雨入り前の6月中旬、久里浜駅から尻こすり坂通りをのぼり、横須賀市ハイランドの住宅街を訪ねた。
坂の町・横須賀を訪ねて
ちなみに「尻こすり坂通り」とは、かつては荷車が後部をこするほどの急坂であったことから名づけられたという。
坂の走破が好きな「坂バカ」の自転車愛好家にとっては何よりの「心臓やぶりの坂」が縦横無尽に走るのがここ、横須賀市のハイランドだ。地獄坂という坂もある。
「湘南ハイランド」と呼ばれるこのエリアは、神奈川県横須賀市の南部に位置する。
大阪の繊維会社だった山万が東京進出後に手がけた宅地開発事業の第1弾で、そのノウハウは千葉県佐倉市のユーカリが丘に引き継がれた。
山林を切り開いて造成されたハイランドは、広大な丘陵の「ニュー」タウンで、半世紀前に住民たちによる命名で「ハイランド」が住居表示の地名となった。
天気のよい日には東に房総半島、西に相模湾や富士山を眺望する「急坂」の住宅街。
日本初のカタカナの町名ハイランド。当時は富士山や東京湾を眺望し、テニスコートやプールもある憧れの街だった。
人が集まり、人が高みに上るのはタワマンだけではない。
バブル時代までは、このハイランドのように、郊外の山林が開発され、眼下を見渡せる眺望が人気となっていた。
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