人口は1万人を割ったが、人口減少や不動産相場の下落はそれほどでもないところを見ると、1区画200㎡超で分譲されたバブル時代の「高級感」が、まだ残っているのかもしれない。
眺めのよい坂の町も、高齢者にはキツい
バブル時代に開発されたこの分譲地も、いまは住民の多くが高齢者となっている。
夕刻、京急久里浜駅から通勤客を乗せたバスが急な坂を上り、ところどころのバス停で住人を下ろす。
退職した高齢者や犬の散歩、買い物客には厳しい坂で、マイカーが欠かせない。
全国の坂の街にはよく石段がある。歩行者が急斜面を移動するには格好の手段で、眺めもよい。
前述のハイランドにも、中高年にとっては自分の年齢の数を超えるような段数の急角度の石段があるが、ペットや足の不自由な高齢者にはキツい坂だ。
ハイランドの他にも、首都圏エリアで、遠距離通勤、高齢化、人口減少に悩む坂の街といえば、埼玉県の坂戸市に近い鳩山町がある。このあたりは駅名も坂戸、北坂戸、高坂と続く、まさに坂の町だ。
東京都の多摩エリアで「すごい坂!」と驚かされ、空き家増や高齢化が進んでいるのは八王子市南部の京王本線沿線だろう。駅でいえば北野駅周辺で、北野台、片倉台など坂を連想させる地名や駅前もある。
また、横須賀に近い逗子市、三浦市も同様だ。
とはいえ、悪いところばかりではない。
全国的に見て、「〇〇が丘」「〇〇台」などの坂の街は住民の自治意識が高く、ゴミなどは散らかっていないし、地区計画など街並みを守ろうとする住民発意の取り組みもある。
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