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〈今週のもう1冊〉『なぜ超一流選手がPKを外すのか サッカーに学ぶ究極のプレッシャー心理学』書評/一度の失敗で英雄が“戦犯”に…

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『なぜ超一流選手がPKを外すのか サッカーに学ぶ究極のプレッシャー心理学』ゲイル・ヨルデット著
なぜ超一流選手がPKを外すのか サッカーに学ぶ究極のプレッシャー心理学(ゲイル・ヨルデット著/福井久美子 訳/文芸春秋/3080円/352ページ)
[著者プロフィル]Geir Jordet(ゲイル・ヨルデット)/ノルウェースポーツ科学学校教授。心理学とサッカーの関係を研究する。欧州主要リーグのプロ選手130 人以上の心理アドバイザー、イングランドなどのサッカー協会でコンサルタントを務める。
さまざまな分野の専門家が、幅広い分野から厳選した書籍を紹介する。【土曜日更新】

日本のプロサッカー、Jリーグでも指揮を執った名将、フランスのアーセン・ベンゲルは序文に記す。

「サッカー選手の人生においてPK戦はもっともプレッシャーがかかる瞬間だ」

そして、こうも付け加える。

「試されるのは精神力だ。技術力ではない」

1度の失敗で英雄から“戦犯”へ

約11メートル先のゴールを前に、キッカーが対峙するのはゴールキーパー(GK)だけ。相手の反則によって得られるペナルティーキックの略称であるPKは本来蹴る側が優位に立つはずだが、それゆえプレッシャーがパフォーマンスに響くとされる。世界のサッカー史において、たった一度のPKの失敗が英雄を“戦犯”へと突き落とす無慈悲なシーンは何度もあった。

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