知将・反町康治が斬る!2025年の「J1」が"予想外の団子状態"になっている2つの必然

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まれに見る混戦となっている今季のJ1。その背景にはどんな事情があるのか(撮影:今井康一)
かつてアルビレックス新潟、湘南ベルマーレ、松本山雅の3チームをJ1へと導き、2020年から4年にわたって日本サッカー協会(JFA)で技術委員長の要職に就いていた、清水の反町康治ゼネラルマネージャー(GM)兼サッカー事業本部長。日本サッカー界が誇る知将にJリーグ、そして日本サッカーの現状と今後を聞いた。
後編:悲願のW杯優勝へ、「サッカー王国」清水復活の先に見据える"知将"反町康治の挑戦
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全日程の4分の1が終了した2025年シーズンのJ1。2023年、2024年と連覇を果たしたヴィッセル神戸や名門・横浜F・マリノスが開幕ダッシュに失敗する一方、2010年代はJ1とJ2を行き来していた京都サンガやアビスパ福岡が首位争いを演じるという予想外の展開になっている。

今季J1に初参戦したファジアーノ岡山や3年ぶりにJ1に返り咲いた清水エスパルスも上位に躍進しており、今季はかつてないほどの「団子状態」になっているのだ。

清水の反町GMは「スペインのレアル・マドリードとバルセロナのようなビッグクラブを作りたいというJリーグの野々村芳和チェアマンの思惑とは逆の方向に進んでしまっていますね」と苦笑する。

エリアスとアンロペの好不調が分けた明暗

なぜ、このような混沌とした状況が生まれてしまったのか。反町GMは、重要なポイントの1つが「外国籍選手の貢献度」だと指摘する。

「4月20日の第11節終了時点で首位に立った京都の場合、ここまで8ゴールを挙げているラファエル・エリアスの存在感が非常に大きい。それは紛れもない事実でしょう。

湘南時代に自分の下でコーチを務めていたチョウ・キジェ監督と話しても、『J1はJ2よりも監督の色が出にくいリーグ。むしろ、選手個々の実力差が結果につながりやすい』と分析していました。

確かに、京都のエリアスや鹿島アントラーズのレオ・セアラのように、ゴールを量産できる頭抜けたタレントのいるチームは勝利の確率が上がる。逆に横浜FMは、昨年得点王のアンデルソン・ロペスがここまで1ゴールとチームの低迷を象徴するような形となっていますね。そこは重要な要素と見ていいでしょう」

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