Jリーグ新人研修で教えた「長く活躍する条件」 サッカー選手にコンピテンシー分析を適応
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人生では、突然、未知の環境に放り込まれてしまうことがある。
新型コロナウイルスは、多くの人を経験のない環境に追い込んだ。子どもでも、転校や引っ越しで不慣れな環境に放り込まれる。ビジネスパーソンならば、他部署へ異動する、新規事業を立ち上げるといったこともそうかもしれない。
プロのサッカー選手も監督やコーチも、そしてクラブ経営の経験さえもないのに、Jリーグのチェアマンに就任した人物がいる。それがJリーグ第5代チェアマンで、現在、日本バドミントン協会会長を務める村井満氏だ。氏の著書『天日干し経営:元リクルートのサッカーど素人がJリーグを経営した』から、未知の世界への不安をエネルギーに変えるための心構え、ヒントを紹介しよう。
素人チェアマンのお手並み拝見
Jリーグの新人研修会は2月1日前後に行われる。企業の入社式や、学校での入学式は4月1日に行われるが、開幕戦を2月中下旬に控えているJリーグの場合、新人の入会式を兼ねた新人研修会はこの時期だ。
冒頭には、社長の挨拶や校長先生の挨拶のようにチェアマン講話が用意されている。なんとも頭を抱えるような場面である。新人選手は、誰もが高校や大学時代の活躍を通じてメディアを賑わせたツワモノばかりである。
選手経験も、指導者経験もない私が彼らに何を伝えるというのか。会場には多くのクラブ関係者も新人の引率で訪れる。多くが選手としても活躍した選りすぐりのコーチたちだ。
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