Jリーグ新人研修で教えた「長く活躍する条件」 サッカー選手にコンピテンシー分析を適応

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長谷部誠選手

例えば、日本代表のキャプテンだった長谷部誠選手のケースで言えば、彼は高校時代に全国高校選手権などに出場したわけではなく、どちらかと言えば地味な存在だった。

静岡の名門、藤枝東高校卒ではあったが、静岡の清水エスパルスやジュビロ磐田などからはスカウトの声がかかったわけでもなかった。

浦和レッズのスカウトの目に留まり、レッズに進むのだが、新人のころ、緊張することもあり、胃薬を欲しがったときもあったという。彼いわく、自分の心の弦は太くはならないと悟ったので、一番いい弦の張り方を心がけ、心の調律に工夫を重ねたという。

己を知り、己を変える

その結果、56のルーチンを生み出していく。そんな彼が日本代表のキャプテンになり、今ではドイツ、ブンデスリーガの名門クラブ、フランクフルトの中心選手にまで成長していくのだ。そのプロセスはまさに謙虚な傾聴の賜物だと思う。今では世界のサッカー界を代表する人物にまで登りつめたのだ。

長友佑都選手

2022年のカタールワールドカップで「ブラボー」の叫びで日本中にエネルギーを注入してくれた長友佑都選手は地元愛媛FCのジュニアユースのセレクションには不合格だったという。そしてスポーツ推薦ではない形で明治大学に進学して、サッカーエリートというわけでもないのだ。そして、椎間板ヘルニアなどケガも多く、スタンドで応援する日々が続いたという。

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