「PK戦の勝敗」を分ける"たった8%"の残酷な差 超一流プロも逃れられない「認知バイアス」の罠
2022年に行われたFIFAワールドカップのカタール大会と2010年の南アフリカ大会。日本代表はいずれもPK戦で敗れ、念願のベスト8進出はかないませんでした。どうすればPK戦の壁を越えられるのでしょうか。東京大学大学院で行動経済学・認知科学を専攻し、スポーツのデータ分析に従事する今泉拓氏によると、PKを成功させる秘訣は「外す勇気を持つこと」だといいます。
※本稿は今泉氏の著者『行動経済学が勝敗を支配する 世界的アスリートも“つい”やってしまう不合理な選択』から、一部を抜粋・編集してお届けします。
2010年ワールドカップ、駒野選手の「悪夢」
サッカーファンにとって、2010年ワールドカップ、パラグアイ戦の駒野友一選手のPKは、忘れられない記憶ではないでしょうか。
全員成功で迎えた3人目、駒野がゴールの右上隅を狙ってキックすると、シュートはバーに当たって失敗。パラグアイは全員PK を成功させたため、日本は敗退。結果的に駒野が外したことでベスト8の夢は断たれることとなりました。
駒野はこの大会で全試合に先発し日本代表を支えてきましたが、まるで駒野のせいで負けたような扱いをされることもありました。
PKの失敗が悲劇的なエピソードとして語られるのは、なにも日本だけではありません。
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