第4回ダイバーシティ経営大賞・パネルディスカッション--受賞企業担当者に聞く経営戦略としてのダイバーシティ

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女性のキャリア形成支援の取り組みとしては、女性の管理職への積極登用や女性管理職の養成研修、リーダー職に向けてのチャレンジ研修、キャリア形成支援ガイド、上司向け「マネジメントガイド」の提供などを行っています。また、ここがボトムアップの部分だと思いますが、部門別の女性プロジェクトがあり、各営業部門や業務部門においてそれぞれの女性プロジェクトができています。このような取り組みで、女性社員の意識改革も進み、チャレンジ意欲も向上してきた、そして継続的にリーダー輩出ができるようなPDCAシステムが構築できたのではないかと思います。

女性が活躍するために、ライフイベントを支えるような施策もいろいろとつくりました。08年には国内損保で初めて「企業内保育園」を設けました。グループ会社ほか3社にも企業内保育園を設置しており、グループでは合わせて4つの企業内保育園を保有しています。また地域型社員の地域変更制度「あいムーブ」の導入や、育児休業者向け復職支援プログラム、復職ミーティングも行っています。女性だけでなく、男性のパパ準備休暇や育児休業5日間の有給化も導入しました。まだ数的には少ないですが、パパ準備休暇は昨年、今年で13名が取得しています。

当社が今まで取り組んできた結果としては、女性管理職は07年には22名でしたが(あいおい1社単独)、10年10月には92名まで増え、合併後の今年4月には100名になりました。女性リーダー層については、424名から1018名と約2.4倍となっています。また、今まで営業部門の責任者はほとんど男性でしたが、昨年4月には女性の責任者が3名誕生しました。10月には初めての女性ライン部長が誕生しています。

今年4月には、当社は、女性だけではなくすべての個を活かすという観点に立って、「女性活躍推進室」から「ダイバーシティ推進室」と名前も変えました。今後は女性リーダーや女性管理職、女性経営幹部を継続的に輩出するとともに、対象を女性に限定せず、すべての社員を対象とする多様性の推進を目指して、新しいステップを踏み出していきたいと思っています。そうした努力によって、現場目線の“現場主義”の会社ということを目指し、お客さま満足度ナンバーワン損保になりたいと考えています。

 

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