利用者4.8倍増!笑顔を生む手指消毒器の秘密 つい試したくなる仕掛けはこうして生まれた
仕掛けのアイデアで、お金や労力をかけずとも問題解決する。その積み重ねが、社会を確実にいい方向に変えていく。そんなシンプルなコンセプトを掲げる学問が「仕掛学」である。
英語版を含み、世界で広く読まれ、10万部を突破した『仕掛学:人を動かすアイデアのつくり方』の続編にあたる『実践仕掛学:問題解決につながるアイデアのつくり方』を上梓した大阪大学大学院経済学研究科教授の松村真宏氏が、事例をまじえながら、仕掛学のエッセンスについて語る。
身近なところに潜む、さまざまな仕掛け
バスケットゴールのついたゴミ箱、「真実の口」に見立てた消毒器「勇気の口」……。
つい行動してしまうきっかけになるものを著者は仕掛けと呼んでいる。しかし、いざ仕掛けを作ろうと思った時に、どうすれば仕掛けを作れるのかわからないし、どのような勉強をすれば仕掛けを作れるようになるのかもわからない。そこで、人の行動を促す仕掛けの体系的な理解を目指す学問分野として、仕掛学を提唱した。
仕掛けは従来の行動の選択肢を残したまま、新たな行動の選択肢を追加するものである。
従来の行動の選択肢を残すのは、行動変容を強要しないようにするためである。
人には変化を避けたり未知のものを避けたりする「現状維持バイアス」がある。したがって、基本的には従来の行動が選ばれ、新たな行動は選ばれにくい。新たな行動はわざわざ選びたくなるような工夫が必要になる。
私たちがまだ気づいていないだけで、身近なところにさまざまな仕掛けが潜んでいる。
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