今の日本「偉そうな人」にはもはや居場所がない フラットな関係のなかで信頼を得られる人とは

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かつて、人々が思い描くリーダー像は、強くて偉そうな、ある種神格化された存在でしたが、権力が分散しヒエラルキーが消滅した現代社会では、弱さを見せられて、共感されるリーダーが求められています(metamorworks/PIXTA)
日本の企業はなによりも「真面目」であることを大切にする。ところが、それとは対照的に、アップルやピクサー、グーグルのような企業は、なによりも「ユーモア」を大切にすることで、大きく成長している。
スタンフォード大学ビジネススクール教授のジェニファー・アーカー氏と、同校講師でエグゼクティブ・コーチのナオミ・バグドナス氏によれば、ユーモアにあふれる職場は心理的安全性をもたらし、信頼関係を築き、社員のやる気を高め、創造性を育むという。
日本語版が2022年9月に刊行された『ユーモアは最強の武器である』について、ジャーナリストの佐々木俊尚氏に話を聞いた。前編と後編の2回に分けてお届けする。

「率いるより、下から支える」へ

リーダー像、特に、管理職像や男性像は著しく変わってきました。偉そうにしている強い人よりも、ちょっと弱みがある人のほうがいいという流れがあります。

『ユーモアは最強の武器である: スタンフォード大学ビジネススクール人気講義』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

社会的背景として、昭和の時代の「強いお父さん」がいなくなりました。団塊ジュニアや40代の中間管理職には、もう頭ごなしに怒るような人はいません。

昭和の時代は、「俺の背中を見て学べ」という感覚がありました。平成になると、管理職の仕事と言えば、資料を叩きながら、とにかく「ノルマをこなせ!」というイメージでした。

しかし、今の時代のマネジメントは、チーム力をうまく引き出すこと、やる気のない部下にどうやる気を出させるかなど、「率いるより、下から支える」という感覚に変わってきています。

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