日本の企業はなによりも「真面目」であることを大切にする。ところが、それとは対照的に、アップルやピクサー、グーグルのような企業は、なによりも「ユーモア」を大切にすることで、大きく成長している。スタンフォード大学ビジネススクール教授のジェニファー・アーカーと、同校講師でエグゼクティブ・コーチのナオミ・バグドナスによれば、ユーモアにあふれる職場は心理的安全性をもたらし、信頼関係を築き、社員のやる気を高め、創造性を育むという。今回、日本語版が9月に刊行された『ユーモアは最強の武器である: スタンフォード大学ビジネススクール人気講義』より、一部抜粋、編集のうえ、お届けする。
ユーモアの活用に関する根本的な誤解
ほとんどの職場では、ユーモアをいっこうに活用していない。
これはひとつには、ユーモアの効用に関する根本的な誤解のせい――つまり、真面目さと陽気さは相反するという誤った思い込みのせいだ。
しかし、この分野の研究が物語っているのは、別の話だ。実際、私たちが気難しく考えるのをやめると、ユーモアの妨げとなるストレスが緩和され、同僚たちと有意義な関係を築けるようになったり、革新的な解決策に取り組む意欲が湧いてきたりする。
いっぽう、ユーモアのパワーを本能的に少しは理解している人たちもいる。だが、それを意図的に活用する方法を知っている人はほとんどいない。
これは深刻な問題だ。多くのメリットを活用できないどころか、陽気な雰囲気に欠けた職場は、私たちの健康や、人間関係や、チームや会社に対し、悲惨な結果をもたらす。そんな職場では、上司も四六時中、しかめ面をしているはずだ。
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