日本の企業はなによりも「真面目」であることを大切にする。ところが、それとは対照的に、アップルやピクサー、グーグルのような企業は、なによりも「ユーモア」を大切にすることで、大きく成長している。
スタンフォード大学ビジネススクール教授のジェニファー・アーカー氏と、同校講師でエグゼクティブ・コーチのナオミ・バグドナス氏によれば、ユーモアにあふれる職場は心理的安全性をもたらし、信頼関係を築き、社員のやる気を高め、創造性を育むという。
日本語版が2022年9月に刊行された『ユーモアは最強の武器である』について、ジャーナリストの佐々木俊尚氏に話を聞いた。前編に引き続いてお届けする。
「隙だらけ」だからこそ共感される
芸人のマキタスポーツさんは、著書で、今の時代のSNSには、評論家然として他人の悪口ばかり言う「ツッコミ」しかいないが、必要なのは「ボケ」なのだと書いています。自分の好きなことを追求し、人の評価など気にしないことが大事なのだと。
そのボケの面白さこそが、まさしく『ユーモアは最強の武器である』で言うユーモアなのではないかと僕は思います。
それはちょっと的外れだったり、隙だらけに見えたりもする。でも、そのほうが今の時代には、共感されやすい。
ユーモアと聞くと、かっこよくスピーチをやって、気の利いたジョークを言うことだと思うかもしれません。そうではなく、「またそんなくだらない冗談を言って」と馬鹿にされるぐらいの和ませ方と考えたほうがよいでしょう。
例えば、間寛平さん、山下清さん、フーテンの寅さん。ちょっと抜けた感じの人こそが、日本に求められているのではないでしょうか。
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