日本企業を凋落させた「職場の意外な真犯人」 スタンフォード大学ビジネススクールの知見

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

私たちが本書を執筆したのは、行動科学という最先端の方法を用いて(それに、コメディアンたちやビジネスリーダーたちの多大な協力によって)、ユーモアに関する誤解を解き、ユーモアが私たちのキャリアや、ビジネスや、人生にもたらす効用を明らかにするためだ。

本書を読めば、なぜユーモアはこれほど強力なのか、なぜ十分に活用されていないのか、そして――最も重要なことに――どうすればあなた自身がもっとユーモアを活用できるかがわかるだろう。

この6年間、私たちはユーモアの研究に明け暮れてきた。行動科学者でスタンフォード大学教授のジェニファーは、意義と目的が個人の選択をどのように決定づけるかを研究している。

そしてナオミは、リーダーやセレブリティー向けのエグゼクティブ・コーチとして、この10年間、企業戦略とコメディーというふたつの分野を股にかけて活躍してきた。

また私たちは、スタンフォード大学ビジネススクールで「ユーモア─シリアス・ビジネス」という授業を創設し、講師も務めている。

世界で最も野心的で優秀なカフェイン中毒の学生たちに、ユーモアや軽妙さを活用して、将来の組織や人生を変える方法を教えているのだ。学生たちはユーモアのパワーに関する私たちの授業においても、「管理会計」や「金融取引戦略」といった授業科目と同じ単位数を取得する。

意外だろうか? だが真面目な話だ。

ユーモアの欠如は深刻な問題

ユーモアのセンスの集団的な喪失は深刻な問題であり、世界中の人びとや組織を悩ませている。私たちはみんなでユーモアの崖を転げ落ち、厳粛さの深淵にはまってしまう。

深淵のどん底にいるのは私たちだけでなく、166カ国、140万人の調査回答者の大多数の人びとも一緒だ。このギャラップ調査では、人びとが1日に笑う/ほほ笑む回数は、23歳ごろから急激に減り始めることが明らかになった。

次ページ笑いを忘れたビジネスパーソン
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事