ユーモアは交渉を優位にする
ユーモアはまったく思いがけない場面でも強力なツールとなる。それは、交渉の場だ。
研究者のカレン・オクインとジョエル・アロノフが行ったある実験では、参加者たちは美術品の購入客として、「美術商」(=研究助手たち)を相手に、購入価格の交渉をするように指示された。
美術商の半数は、客の最終的な入札価格をはるかに上回る最終提示価格を示し、「こちらの最終提示価格は〜です」とだけ言った。もう半数の美術商も同じ価格を提示したが、にっこりと笑いながらこう言った。「こちらの最終提示価格は〜です……おまけに、私のペットのカエルをつけましょう」
これが思いがけない結果につながった。ペットのカエル付きの最終オファーを提示された客たちは、平均で18%高い金額を喜んで支払った。しかも、その客たちは「とても楽しかった」「あまり緊張せずに美術商と交渉できた」と答えた。


















