アメリカの世論調査機関ピュー研究所の世論調査でも、このことが明らかになっており、『ザ・デイリー・ショー』や『コルベール・レポート』のような面白いニュース番組を観ている人たちのほうが、新聞やケーブルテレビや全国ネットテレビのニュースから情報を得ている人たちよりも、最近のできごとをよく記憶していることがわかった。
さらにある研究では、短期記憶に関する簡易検査を受ける前に、映画の面白いシーンを観た人たちは、何もせずに同じ時間ただ座っていた人たちに比べて、2倍の情報を記憶していたことが明らかになった。
教室でも、ユーモアは効果を発揮する。学術誌『実験教育ジャーナル』において発表されたアブナー・ジブによる研究論文では、ユーモアのある教材で授業を受けた学生たちは、そうでない学生たちよりも授業内容をよく覚えており、期末試験の点数が11%高かったことがわかっている。
ジョークを効果的に利用したオバマ大統領
そういうわけで、政治家がお抱えのスピーチライター軍団にプロのコメディアンを加えるのも、めずらしいことではない。
オバマ大統領は2011年の一般教書演説において、政府の効率性を向上させるべき分野として、次の例を挙げた。
「サケが淡水にいるときは内務省の管轄です。しかし、サケが海水にいるときは商務省の管轄になります」ここで、ひと呼吸。「問題がさらにややこしくなるのは、スモークされたときです」会場は爆笑に包まれた。
ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)によるリスナー調査の「一般教書演説でもっとも印象に残った言葉を3つ挙げてください」という質問に対し、もっとも回答数の多かった言葉はなんだったか、わかるだろうか?
(答えは「サケ」)
コメディアンのジョン・シャーマンが言っているとおり、「聴衆から笑いが起こるのは、それだけ熱心に聴いているしるしだ」
(翻訳:神崎朗子)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら