仕事中「なぜか機嫌がいい人」がしていないこと 完璧といえない仕事人生で満足度を高めるには

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仕事中に機嫌がいい人たちが「していないこと」とは(写真:mits/PIXTA)
昇給、昇進、価値ある仕事――。自分がすこしずつ成長している実感はあっても、どこか満足できない気持ちを抱えている人も多いのではないでしょうか。そこには、具体的にあらわすのは難しいけれど重要な、「感情」についての問題が隠されています。
わたしたちは、自分の「感情」の部分で、どのように仕事と向き合うべきなのでしょう。セールスフォース、アーンスト・アンド・ヤング、スタンフォード大学d. schoolで職場環境改善に取り組むリズと、IDEOの組織デザイナーを経験し、グーグル、リンクトイン、スラックなどをクライアントとしてコンサルティングを行うモリーの2人による著書『のびのび働く技術』から、一部を抜粋してご紹介します。

期待と実際に抱く感情との間にあるズレ

時間と精神的なエネルギーだけでなく、私たちはもっと大切でかけがえのないものを無意識のうちに仕事に注ぎこんでいます。自尊心です。みなさんのなかには、仕事に対して大きな望みを抱いている人もいるでしょう。大幅な昇給、名誉ある昇進、あるいは人に自慢したくなる新しい仕事。

でもほとんどの場合、実際に手にしたときの高揚感は期待したほど強くなく、持続もしません。未来のできごとに対して自分がどう感じるかの予測と、実際に抱く感情との間にはずれがあり、「インパクトバイアス」と呼ばれています。このずれが「誤った希望」を抱かせてしまうのです。つまり、実際にはそこまで幸福感をもたらさないものを手に入れるために必死になってしまうわけです。

(イラスト:リズ・フォスリエン)

投資家ウォーレン・バフェットにこんな名言があります。「履歴書に箔がつくからというだけで好きでもない仕事を続けている人がいるとしたら、正気ではないと思うね。老後にセックスをとっておくみたいなものだ」。

目標をもつのはいいことですし、昇給も昇進もそのときは達成感があるでしょう。でも昇進して望んだ地位につけばあとはめでたく幸せに暮らしました、とはならないのが普通です。「輝く未来」をめざして無残な現在を正当化するという悪しき習慣をやめてみましょう。

心理学者のドナルド・キャンベルは「幸福そのものを追い求めれば不幸な人生になる」と言っています。不変の幸福など手に入りません(少なくとも個人的には経験したことがありません)。私たちが通常「うれしい」「幸せだ」と感じるのは、それまでなかった何かが手に入ったとき、あるいはまわりの人より何かが少しだけうまくいっているときです。

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