巨額の報酬がトップの傲慢さを招く
第3の仮説「権力の座に(特に長期間)就くことで、人は腐敗していく」が示すように、権力は人を傲慢にします。
本書でも紹介されていますが、アメリカでは、ホワイトカラー犯罪による損失や損害が年間2500億から4000億ドルにおよんでいるという推定があります。犯罪者の数としては少ないものの、街中で起きる犯罪の被害総額よりはるかに多く、15~25倍の額に達するということです。
CEOの報酬が高くなりすぎて、従業員との格差も拡大しています。あまりに巨額の報酬を出すと、それを求めて、責任よりも利益を追求してしまう人を呼び寄せやすくなるでしょう。
本書でも懸念されていますが、巨額の報酬を得ることで、傲慢さを促進しやすくなるおそれもあります。
トップに立ち、ストレスも仕事量も多くなると、「自分はもっといい扱いを受けて当然だ」と思うようになりかねません。それは人間の自然な反応とも言えます。
だからこそ、監視すること、トップだけに権限や負担を集中させないシステム作りが大事なのだと思います。



















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