完璧主義すぎる人が実は抱えている厄介な悩み ただ高い目標を設定することとの境界はどこに

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完璧主義には決定的な負の側面がある(写真:kouta/PIXTA)
完璧主義という概念がある。これは科学的に定義できるものなのか。
神経科学の学位をもち、科学雑誌『ニュー・サイエンティスト』で長年コンサルタントを務めてきたジャーナリストのヘレン・トムソン氏。彼女が科学的エビデンスを調べ尽くしてたどり着いた、賢く、幸せに、ストレスの少ない人生を送るための包括的なガイドである著書『人生修復大全』の第12章「完璧を求めすぎないようにするためには」から一部抜粋、再構成してお届けします。

完璧を目指さない

おそらく誰もが「私は完璧主義者だ」という言葉を耳にしたり、自分で口にしたりしたことがあるのではないだろうか。この世でもっとも退屈な面接の質問――「あなたのいちばん悪い癖は?」――にこう答えたことがあるかもしれない。もしくは、知識をひけらかすような言動や、純粋に何かを完璧に仕上げたいときの言い訳に使う場合もあるだろう。

しかし、勤勉さややる気は、人を完璧主義者へと変える可能性があり、これは危険な結果を招きかねない特性だ。

完璧主義は――少なくとも欧米では――過去30年で劇的に広がったことが最近の研究で明らかになっている。とくに若者は、自分にも他人にも求めるものが多くなっている。食うか食われるかの世界、私たちの身体、キャリア、家庭は完璧だという空想に溢れた世界は、非の打ちどころのない人生を求めて、心身を危険にさらす人々を増加させているように見える。

こう書くと警戒するかもしれないが、解決策はある。「ほどほどで十分」なときを知ることだ。

完璧主義を定義するのは少々難しい。心理学研究ではたいてい「何事にも最善を尽くす」「こちらが頼んだことは完璧に仕上げてほしい」など、45個の項目からなる標準尺度を使用する。そして各項目にどの程度同意できるかを評価して、その数が多ければ、完璧主義の傾向があるということになる。

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