完璧を目指さない
おそらく誰もが「私は完璧主義者だ」という言葉を耳にしたり、自分で口にしたりしたことがあるのではないだろうか。この世でもっとも退屈な面接の質問――「あなたのいちばん悪い癖は?」――にこう答えたことがあるかもしれない。もしくは、知識をひけらかすような言動や、純粋に何かを完璧に仕上げたいときの言い訳に使う場合もあるだろう。
しかし、勤勉さややる気は、人を完璧主義者へと変える可能性があり、これは危険な結果を招きかねない特性だ。
完璧主義は――少なくとも欧米では――過去30年で劇的に広がったことが最近の研究で明らかになっている。とくに若者は、自分にも他人にも求めるものが多くなっている。食うか食われるかの世界、私たちの身体、キャリア、家庭は完璧だという空想に溢れた世界は、非の打ちどころのない人生を求めて、心身を危険にさらす人々を増加させているように見える。
こう書くと警戒するかもしれないが、解決策はある。「ほどほどで十分」なときを知ることだ。
完璧主義を定義するのは少々難しい。心理学研究ではたいてい「何事にも最善を尽くす」「こちらが頼んだことは完璧に仕上げてほしい」など、45個の項目からなる標準尺度を使用する。そして各項目にどの程度同意できるかを評価して、その数が多ければ、完璧主義の傾向があるということになる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら