転職で壁にぶつかった「34歳・元期待の若手」の顛末 何もかも違う異業界で苦闘、再確認した大切な物

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「大学生の頃は世の中のことに無知で、就職活動の際も『電通って大学だよね?』という感じでした。カタリバというNPOの活動に参加し始めたのも、受験に失敗して、高校時代の先輩に『暇してるならとりあえず来なよ』と誘われたことがきっかけで、『教育に課題を感じていた』とか、そういったことではなかったんです。

鈴木隆太(すずき・りゅうた) :株式会社LIFULL LivingAnywhere Commons(リビングエニウェア コモンズ)グループ所属。2012年に株式会社ネクスト(現LIFULL)へ新卒入社。LIFULL HOME'Sに配属され、東京/千葉エリア・西日本エリアにて、営業職として勤務。2015年に教育系のNPO法人へ転職。島根県雲南市に移住し、雲南市教育魅力化プロジェクトの事業立ち上げを実施。2022年に再びLIFULLに入社し、LAC事業に携わる。

でも、大学3年生の3月に東日本大震災が起きて、日常は当たり前ではないということに気づき、『誰とどこで何をするか?』ということを真剣に考えるようになりました。その結果、”教育”をキーワードにして就活をし、LIFULLに入ることにしました」

実際のところ、 LIFULLに入社した際には教育事業には配属されなかったそうだ。しかし、本人としてはそこまで大きなこだわりはなかったという。

「もちろん当初は教育事業に行きたいとは思っていましたが、それよりも『配属された部署で、どう頑張り、何を学び得るのか?ということが大事だ』と思っていました。そのままカタリバに就職するという選択肢もあったのですが、『ビジネスの世界でどれだけ自分が通用するか、どう頑張ってくらいついていくか?』を常に意識していました。だからこそ、『どんな仕事でもやり抜く』という覚悟で就職していたんです」

「期待してもらえている」実感の中で勤務

そんな鈴木さんは、稼ぎ頭である『LIFULL HOME'S』の法人営業に配属される。

「LIFULLも当時は教育事業をやっていたのですが、僕が配属されたのは『LIFULL HOME'S』で、賃貸不動産マーケットの既存顧客営業でした。LIFULL HOME'Sをすでに契約してくださっているお客様に対し、どのように広告掲載を行って集客をおこなっていくか?など、活用方法などを提案する仕事です。

1年目は東京と千葉エリアを担当し、2年目からは大阪に転勤して、西日本全体を担当しました。仕事も、人間関係も充実していましたね。2年目で中国・四国エリアの9県を担当していたんですけど、『より成長していくことを期待もしていただいているな』という実感はありました」

ところが、結果的に勤務3年で、元インターン先のカタリバに転職することになる。

「転職のきっかけは、大学時代から『いつか一緒に働こうぜ』と言い合ってた仲間の1人に誘われたことです。大学の仲間たちはそれぞれ進路は別だったんですけど、一番仲が良かったヤツが『島根でこんなことをやる』って声をかけてくれたんです。

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