わずか8カ月で「出戻り転職」した31歳男性の成長 新卒から7年勤めた会社を辞め気づいた仕事の本質

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キャリアにおける自身の理想を追求し新卒で7年働いた会社を退職。しかし、約8カ月ほどで戻ることになった芦田さん(31歳・仮名)が、転職を経て気づいた仕事の本質、自身が仕事で感じる喜びとは(写真:Jake Images/PIXTA)
社員が会社を辞めるのは、なんらかの理由があるからだ。給料かもしれないし、人間関係かもしれないし、自身のキャリアを考えた結果かもしれない。ライフイベントに合わせた結果かもしれないし、その背景には人それぞれの事情がある。
しかし、中には「一度去った会社に戻ってくる人」もいる。「出戻り転職」と呼ばれる行動だが、本連載ではこの「出戻り転職」にフォーカスを当てたい。一度辞めたのに「戻りたい」と思える会社はそれだけ働く人にとって魅力的だと考えられるし、そこから「社員と会社の良好な関係性」を紐解けると考えられるからだ。

「あなたは5年後、どんな自分になっていたいですか?」

上司とのキャリア面談や、転職時の面接、それ以外でもこんなことを聞かれる人は多いのではないだろうか。仕事と結びつけて逆算することが多いと思うのだが、時にそれが高い目標となり自身を窮屈にすることがある。

今回、話を聞いた芦田圭佑さん(31歳・仮名)もそのように考えていた1人。芦田さんは自身の理想を追求するがあまり、新卒で7年働いた株式会社インタースペースを退職し、約8カ月ほどで戻ることになる。

「長く在籍していることがこんなにも財産になるとは思っていなかった。ずっと働いていたい」と、今は語る。出戻り転職を経て、考えはどう変わっていったのだろうか?

成長機会が少ないというキャリアに対する焦り

学生時代、メディア論やプログラミングなどビジネスに関する知識を幅広く学んでいた芦田さん。その中でインターネット広告に興味を持ち、2014年にアフィリエイト広告「アクセストレード」、ママ向け情報サイト「ママスタ」をはじめとした複数のWebメディアを運営するインタースペースに入社することになる。

入社後はメディア営業→外部ネットワーク(ディスプレイ広告/SNS広告)の営業と広告運用→広告配信プロダクトのプロダクトオーナー(PO)→新規プロダクトの企画職といったキャリアを歩んできた。

「新卒から勤務するなかで、何度か転職を考えたことはありました。ただ、部署異動などもあったので本格的に動く機会はなくて。転職活動を開始したのは、新規プロダクトの企画を任されるようになってしばらくしてからですね。自分のキャリアに対する焦りを感じるようになったんです。

僕は新しいものを作り出すことが好き。なので、新規プロダクトの企画にもやりがいを感じていたのですが、会社の中では少し異質な動きをしていたので、同じようなポジションの人がいないことに不安というか物足りなさを覚えるようになっていました。成長機会が少ないと感じていたんです」

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