35歳で退職し40歳で「再入社」彼に起きた劇的変化 スキルアップ求めた「技術好き」の切実な思い

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メグリ株式会社でクリエイティブディレクター/UXデザイナーとして働く瀬尾智昭さん。会社の事業と、自身の成長思考の間のズレから2015年に退職。しかし、2020年に再入社しました。彼の考え方が変わった理由とは?(撮影:梅谷秀司)
社員が会社を辞めるのは、なんらかの理由があるからだ。給料かもしれないし、人間関係かもしれないし、自身のキャリアを考えた結果かもしれない。ライフイベントに合わせた結果かもしれないし、その背景には人それぞれの事情がある。
しかし、中には「一度去った会社に戻ってくる人」もいる。「出戻り転職」と呼ばれる行動だが、本連載ではこの「出戻り転職」にフォーカスを当てたい。一度辞めたのに「戻りたい」と思える会社はそれだけ働く人にとって魅力的だと考えられるし、そこから「社員と会社の良好な関係性」を紐解けると考えられるからだ。

「今の職場には満足しているし、これといった不満があるわけじゃないんです。ただ、新しい仕事にチャレンジしてみたいとか、自分はずっとこの仕事を続けていくのかなという漠然とモヤモヤした気持ちや、他の会社で働いてみたいという思いは常にあって……。“転職”というキーワードが頭をよぎることもよくあります」

筆者はフリーランス人事として、多くのビジネスパーソンに会っているが、転職活動をしているしていないに関わらず、上記のような不安を漏らす人も少なくはない。会社としてその個人の感情に寄り添うことはできるかもしれないが、ジョブローテーションなどの仕組みで解決することは容易ではない。

退職した会社に、5年後再び入社した瀬尾さん

今回の主人公は、メグリ株式会社(※)でクリエイティブディレクター/UXデザイナーとして働く瀬尾智昭さん(43歳)。メグリは2007年の創業以来、アプリやECサイトの受託開発を行っていて、2020年から小売業界を中心としたクライアントに対し、アプリマーケティングプラットフォーム「MGRe(メグリ)」のサービス提供を開始した企業だ。

瀬尾さんは「新しいことがしたかった。新しい技術を使ってスキルアップしたかった」という理由で2015年に退職し、5年後の2020年2月に再びメグリに入社することになる。

※2022年に「メグリ株式会社」に社名変更。瀬尾さんが入社した当時の社名は「株式会社ランチェスター」。本記事内では両方の表現を使用します。

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