瀬尾さんが社会人になってメグリ(ランチェスター)に入社するまでの経緯はこうだ。
「大学生の頃、広告代理店でデザイナーをしていた人がオーナーをしている飲食店でアルバイトをしていました。
オーナーが自ら店内で使うメニュー表や名刺を作っていて、その姿を見てデザイナーに憧れるようになったんです。そしたらオーナーが知り合いのデザイン事務所を紹介してくれて……アシスタントとしてグラフィックデザインの基礎を学ばせてもらうことになりました」
未経験でデザイン業界に飛び込んだ瀬尾さんは、次第にデジタルの世界に関心を持つようになった。
「少しだけですが、Webの仕事もあって。次第にグラフィックデザインよりもWebデザインに惹かれていきました。1年間修行して、2004年にWebインテグレーションの会社に入社。5年ほど働いてクリエイティブプロダクションに転職し、その後2010年にランチェスターに入社しました」
ランチェスターには、デザイナー兼エンジニアとして入社。当時、同社はシステム開発の受託を生業としていて、講談社・GODIVA・ハーレーダビッドソンなどさまざまなクライアントの案件を担当していた。代表的なアプリとして、無印良品の「MUJI passport」などもある。
5年弱で退職した理由
そんな同社で主にアプリ開発を担当し、UIデザインや実装、ディレクションなどの業務に従事していた瀬尾さんだったが、5年弱で退職することになる。受託開発と聞くとハードワークな印象を持つ人も少なくないとは思うが、それが原因ではないそうだ。
「自分はもともと、ものづくりや技術が好き。技術ってその時々で流行りとか移り変わりもあったりするじゃないですか。それをどんどん試していきたいし、スキルアップしていきたい。そういう思いがあるなかで、自分がチャレンジしたいと思う領域と当時の会社の事業の間でズレが出始めたんです。当時は35歳だったので、まだまだチャレンジしたいこともたくさんありました。
ただ、当時は新しい事業を立ち上げる方針でもなさそうでした。だからこそ、自分の仕事そのものに大きな変化が訪れることはないだろうなと思っていて……。もちろん、受託開発ならではの忙しさはありましたが、それが退職の要因ではありません。過去の転職動機を振り返ると、『面白そうだな、試してみたいな』という好奇心で転職することが多かったんですよね」
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