当時のことを思い出しながら、明るく語ってくれる芦田さん。今でこそ事例が増えているが、出戻り転職には「戻る側」の心理的なハードルがあるのも事実。その点、芦田さんの前向きな性格は、ふたたび会社との縁を紡いだようで、フランクな空気感で進み、無事に内定となった。
「事前に『面接ではスキルと今後やっていきたいことを細かく確認するからしっかりと準備してください』と言われていたので、内心ビビりながら面接に向かったんです。コードを書けること、SQLで集計ができること、転職先での経験などを説明して、それらをいかして『営業を支援していく仕事がしたい』と伝えました。
面接の最後に『出戻りの代表として頑張ってね。頼んだぞ!』って言われたのが心に響きましたし、より身を引き締めて頑張ろうという気持ちになりました。新卒入社で出戻りするのって私が初めての事例だったんです」
会社側としては、本人の目指している姿とインタースペースで積んでいけるキャリアに齟齬(そご)がないかを丁寧に確かめたい意図があったのだろう。
「人と人」のつながりが、大きな財産だと理解した
そんな彼は現在、データ戦略推進室にてプランナー職として働いている。主力サービス(アクセストレード)に長年蓄積されたデータの課題抽出と選定を行っている。データサイエンティストとサービスの間に立つポジションだ。
今回の転職を通して、自分の環境に対する大きな気づきとキャリア観の変化があったそうだ。
「自分が思っていた以上に、長く在籍していることが自分にとっての財産だったんだなって気づきました。
インタースペースって積極的にコミュニケーションをとる文化なんですが、そこには『アフィリエイトは人が介在するビジネスモデル』という影響もあるかもしれません。自動で広告を出してくれるほかのサービスと違って、クライアントやインフルエンサー、社内担当者とのコミュニケーションが随時発生する。言ってしまえば古風なところもあるんですが、それが結果的に『人と人』のつながりを生んでいる。
今の会社では仕事だけじゃなく、飲み会やゴルフなどを通して、同じ部署の人や同僚だけではなく別の部署のメンバーや役員など、さまざまな人に自分を知ってもらえていて、それが仕事のやりやすさにつながっている……そういうのがいかに大きな財産なのか、深く理解したんです。そんな環境があまりにも当たり前すぎて、プラス要素になっているなんて意識していませんでした。
不思議ですよね。私、新卒のときは『飲み会ってダルいなあ』『社内コミュニケーションになんの意味があるんだろう』って思ったりするタイプだったんですけどね(笑)」
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